【口グセを変えれば、人生が変わる】
ネガティブなセルフトークを変える
3つのポイントとは?
『心の中のつぶやきを変えれば、人生が変わる セルフトーク超入門』著者 ジャド・ヘルムステッターを一部抜粋している記事です。本書の内容が詳しくわかるようになっています。
セルフトーク超入門12のポイント
本書の目的は、ネガティブなセルフトークとそれを変える方法に関する基礎知識を伝授することである。
まず、12のポイントから説明しよう。
- すべての人は生まれたときからずっと「プログラム」され、そのプログラムにしたがって人生を送る
- 生まれた瞬間から、聞くこと、考えること、声に出して言うこと、心の中で言うことはすべて、一時的に脳に保存される。
- 受け取ったメッセージを繰り返すたびに、それは脳に組み込まれる。本書では、その繰り返されたメッセージを「プログラム」と呼んでいる。このプログラムを 繰り返せば繰り返すほど、それは脳の中に強く組み込まれる。
- 人生の最初の18年間、どんなにポジティブな家庭で育ったとしても、あなたが受け取ったプログラムのパーセント以上はネガティブである。そして、そのプログラムがどのような内容であれ、その多くは今もあなたの脳の中に存在する。
- 受け取ったプログラムを保存する脳の部位は、それが真実かどうかを識別することができない。したがって、プログラムが真実かどうかに関係なく、脳はそれを 真実とみなして機能するように設計されている。
- プログラムのパーセント以上が無意識のはたらきによるものであるため、あなたはそれをまったくと言っていいほど意識していない。
- あなたは遺伝と経験に加えて、周囲の環境から受け取ってきたプログラムの産物である。
- あなたが信じていること、考えていること、言っていること、していることはすべて、他者から受け取ったプログラムの結果である。
- あなたのセルフトークは、これまで受け取ってきた中で最もインパクトの強いプ ログラムを反映している。
- ネガティブなセルフトークは、あなたが他の人たちから受け取ったネガティブなプログラムと、自分に与えたネガティブなプログラムを混ぜ合わせた結果である。しかも、その大半は無意識のはたらきによるものである。
- 神経可塑性のはたらきによって、脳は生涯にわたってそれ自身を、たえず組み換えるように設計されている。
- どんなにネガティブで役に立たないプログラムを持っていても、それを変えることは可能である。だから、それをよりポジティブで成功志向のプログラムと置き換えることができる。
以上が本書の主なメッセージである。
ネガティブなセルフトークを変える3つのポイントとは?
もし今、脳の中にネガティブなプログラムを持っているなら、それを変えることはできるだろうか。脳の中によりポジティブなプログラムを新たにつくることはできるだろうか。そして、最も大切なのは、ネガティブで古いプログラムを排除すると同時に、ポジティブな新しいプログラムをつくるには具体的にどのようなステップを踏めばいいのかということだ。
セルフトークに関する脳科学の研究で、私は重要な答えを見つけた。人間がどのようにプログラムされるか、そのプログラミングの大半がいかに破壊的であるかを発見しただけでなく、その発見がこの問題の解決法につながったのだ。
それは次の3つのポイントに要約される
1.現在のネガティブなプログラムを消去することはできるか?
長年にわたって脳の中に組み込まれたプログラムを持っていても、それを変えることは可能である。もし何もしないなら、それはたいてい永久にそのままになる。どんなレベルの「ネガティブセルフトーク障害」を持っていても、それについて何もしないなら悪化するばかりだ。
しかし、もしネガティブで古いプログラムを新しくてポジティブなプログラムと入れ替えると、ネガティブなプログラムを打ち消すことができる。
特記事項1
たとえ長年にわたって― 幼いころからずっとかもしれない― 脳の中にネガティブなプログラムを持っていたとしても、脳の神経可塑性のはたらきのおかげで、それを消去したり置換したりするのには何年もかからない。ネガティブなプ ログラムを入れ替えるのはたいてい数週間もあれば十分である。
特記事項2
消去したり置換したりするためにネガティブなプログラムをいちいち見きわめる必要はない。たとえネガティブなプログラムが潜在意識の奥深くに完全に隠れていても、本書で紹介するアドバイスはそれを打ち消すのに役立つ。
2.よりポジティブでまったく新しいプログラムをつくることはできるか?
答えは「イエス」だ。繰り返しを通じて現在のプログラムを脳の中に組み込んだのだから、同じようにして新しいプログラムを脳の中につくることができる。何度も繰り返せば、どんな新しいプログラムでもつくることができる。
3.新しいプログラムをつくるためのステップはどのようなものか?
そのプロセスを単純化し、基本的なステップに分割するためのガイドラインを紹介 しよう。ガイドラインを作成したのは、私が主宰するセルフトーク研究所である。
セルフトーク研究所は1985年に設立され、30年以上にわたってネガティブなセルフトークと脳のプログラミングを研究する一方で、ポジティブなセルフトークに関するセミナーを開催し、専門の指導員をたくさん育成してきた。また、長年にわたって大勢の人がセルフトークを変えるのを手伝ってきた実績に基づいて、そのための最も効果的なメソッドを開発した。
私のセミナーやテレビ・ラジオでのインタビューは、セルフトーク研究所のガイドラインに沿ったもので、綿密な調査と確固たる理論に基づいている。脳のプラグラム を改善したい人たちのための最高のガイドラインだと自負している。
このガイドラインはふたつのパートから構成されている。ひとつのパートは、セルフトークを変えるために必要な具体的なステップで、もうひとつのパートは、どの分野のセルフトークを変えたいかを見きわめる質問である。
では、それを紹介しよう。
このガイドラインの目的は、ポジティブなセルフトークの習慣を身につけ、ネガティブなセルフトークという有害な習慣を克服するのに役立つ最も効果的で実用的な方法を伝授することである。
ネガティブなセルフトークをする習慣を持っていた大勢の人が、このステップにしたがってセルフトークを変え、その結果、人生を変えてきた。
あなたにとって励みになることを伝えよう。
それは、脳は変化するように設計されているということである。つまり、脳は新しい情報によって組み換えられるように設 計されているのだ。新しいポジティブなセルフトークをすると、脳は古いプログラムを消去し、新しいプログラムの余地をつくる。次の3つのステップを踏めば、確実に大きな効果を発揮する。
セルフトークを変える3つのステップ
ステップ1 監視する
始めるにあたり、これからの30日間、自分のセルフトークを監視しよう。言っているすべてのことと、心の中で思っているすべてのことに注意を払うのだ。
これからの30日間、自分が言ったすべてのことを誰かに録音してもらおう。そして、文字起こしをしてもらい、頻繁に言っているフレーズにマーカーで印をしてもらうといい。
マーカーで印をしてもらったフレーズを読むと、自分のセルフトークの実態がわかる。ふだん心の中で思っているセルフトークはそれには含まれないが、ふだん声に出して言っているセルフトークはこれで把握できる。
実際にセルフトークを紙に書きとめるかどうかは別にして、心の中で思っているこ とと口に出して言っていることをすべて意識することが大切だ。毎日、自分のセルフトークに意識を向ければ、それがどんなに手かせ足かせとなっているかがよくわかる だろう。
自分のセルフトークを監視する習慣を身につける目的は、心の中で思っていることと口に出して言っていることに注意を払うことである。これがセルフトークを変えるための第一歩だ。
ステップ2 編集する
有害でネガティブなことを言ったり考えたりしていることに気づくたびに、すぐにそれをやめてポジティブな表現に言い換えよう。
たとえば、ミスをしたときに「なんてバカなんだ」と嘆いているなら、すぐに気持ちを切り替えて、「たいしたことはない。私はもっと利口だ」と言おう。
あるいは、「何をやってもうまくいかない」と愚痴っているなら、「必ずうまくいく。計画を実行 に移して最後までやり遂げる」という新しいポジティブな指令を脳に送ろう。
以上の例でわかるように、ネガティブなセルフトークはポジティブなセルフトークに言い換えられ、脳に新しい指令を送っている。
こんなふうに自分のセルフトークを編集することは、ネガティブなセルフトークをポジティブなセルフトークに置き換えて自分にウソをついているわけではない。
なりたい自分を正確に表現して脳を組み換えているのである。これはけっしてごまかしではない。自分のあるべき姿を明確にしているのだ。
自分の思考と言葉を編集することは不可欠なステップだが、保存してきたネガティブで古いプログラムをすべて排除することはできない。ただ、編集のプロセスによって、それがさらに脳に組み込むのを阻止することはできる。
ステップ3 お手本を聞く
新しい言語を学びたいなら、そのための最も効果的な方法は、その言語を録音したレッスンを聞いて練習することである。ポジティブなセルフトークを学ぶときも同じようにすればいい。
脳の中では、ポジティブなセルフトークを学ぶのは新しい言語を学ぶのと同じプロセスをたどることになる。すなわち、繰り返し聞いて、学んだ内容を練習することだ。
繰り返しがカギである。ポジティブなセルフトークを聞くとき、― 毎日10分から15分でいい― 、脳にポジティブで明確で新しいメッセージを送ることになる。日々の繰り返しによって、脳はそれまで優勢だったネガティブで古いプログラムを無効にして書き換え始める。
数日後には、自分の心の姿勢やモチベーションに初期のポジティブな変化を感じることができるだろう。
しかし、脳が新しく繰り返されたプログラムを組み込むにはたいてい3週間かそれ以上かかるから、そのつもりで取り組んでほしい。
新しいセルフトークを学んで練習し始めると、意識的にも無意識的にも自分のプログラムを変える習慣が定着し始める。これが待望のターニングポイントだ。
Recommend
全米で25万人を変えた
脱ネガティブ思考入門書の決定版
セルフトーク超入門
発売日:2020/5/28
ISBN:978-4-7993-2614-5
著者紹介
アメリカの著述家、ライフコーチ。心理学博士。現在、セルフトーク研究所を主宰する。セルフトークと能力開発のパイオニアとして、30年以上にわたって研究と執筆に専念してきた。セミナーの参加者は年間25万人以上にのぼる。テレビとラジオの出演は約1,200回におよび、ABC、NBC、CBS各局の教養番組とCNNニュースにたびたび登場する。約20冊の著書は70か国以上で出版されている。
“セルフトーク"とは、「心の中のひとりごと」です。
「だめに決まっている」「やるだけ無駄だ」「自分は運が悪い」といったネガティブなセルフトークは、あなたを確実に失敗へと導きます。
しかし、セルフトークを変えれば、脳のプログラミングが変わり、人生が変わります。
読み終えた瞬間から実践できる事例が満載
「どうせ無理」→「やってみよう」
「きっと失敗する」→「きっとできる。必ずやり遂げる」
「なんてダメなんだ」→「大丈夫。たいしたことはない」
こんな人におすすめです
・わけもなく落ち込むことがある
・まわりの人に振り回されることが多い
・ほめられてもついつい謙遜してしまう
・常に悪い結果を想定して動く
・「自分は運が悪い」と思っている
第1章
─ セルフトーク超入門12のポイント
第2章
─ ネガティブなセルフトークの正体とは?
第3章
─ なぜ、ネガティブなセルフトークをしてしまうのか?
第4章
─ 「ネガティブセルフトーク障害」診断テスト
第5章
─ ネガティブなセルフトークと脳のしくみ
第6章
─ ネガティブなセルフトークを変える3つのポイント
第7章
─ ポジティブなセルフトークでポジティブに生きる
第8章
─ よくある質問とその答え
付録
─ ポジティブなセルフトーク50の具体例