INTERVIEW2 理系出身者が「伝える仕事」に挑む理由。

ディスカヴァーに入社後、様々なキャリアに挑戦するスタッフに人事担当者がインタビュー。
入社のきっかけ、これまでに経験した仕事、転換期に考えていたこと、これから挑戦したいことについて聞きました。
伊東佑真
伊東佑真
STカンパニー ECチーム 2014年新卒入社
入社後、営業部やデータ関連の部署を経験したのち、現在はオンライン書店を担当するECチームのマネジャー。大学時代は生物工学を専攻。プライベートでは最近生まれた愛息との日々を楽しんでいます。

専門的な知識をフラットに同じ目線で伝えたい。

伊東さんは大学院で「生物工学」を専攻していたんですよね。
研究者になったり、メーカーで研究職につくキャリアもあったと思いますが、なぜディスカヴァーに入社したんですか?
自分が大学生のころ、3.11 が起きました。メディアでは科学者VS一般の人(このいい方は好きではありませんが)という図式ができあがり、コミュニケーションの分断とそれを助長するメディアに対しても疑問を持ちました。本来、社会に求められていたはずなのに、この状況はなんだろう?
そんな時期に大学生協で出会ったのが『科学との正しいつき合い方』(ディスカヴァー刊)でした。
科学者であり、ひとりの働くお母さんであり、生活者である著者の目線で書かれた内容は面白く、こういう形で世の中に研究内容を伝えていく仕事があるんだ、出版社なら、専門的なことを、 専門家が上から教えるのではなく、生活する人とフラットな関係で伝えることができるんじゃないかと思いました。

酵母の研究をしていたので、専門知識を生かした仕事をしようとメーカー研究職の採用試験も受けていました。
でも面接で自分の研究内容を話すと、あまりうまく伝わっている気がしなくて。
ディスカヴァーの面接では「わからない。だから、知りたい!」という理系の研究にウェルカムな印象を持ちました。
理系も積極的に採用していると知り、実際に活躍している理系出身の方もいたので入社を決めました。

学び続けることが仕事になる。

研究内容とはまったく違う領域に挑戦してみて、実際はどうですか?
「研究した内容や、専門的な知識は活かせますか?」という質問をときどき学生の方からいただきます。正直なところ、自分の研究内容でいう微生物の知識や、培養、遺伝子組換えの技術を使うことはほぼありません (笑) 
ただ、仕事と研究に似ているところはおおいにあって、修士課程で鍛えられた思考のプロセス、例えば、分析力や問いをたてる論理構成力は強みになっています。これはどの仕事でも等しく役に立ちますよね。

何より今の仕事が自分にあっていると思うのは、「学習」が仕事そのものになるところ。本のテーマはあらゆるジャンルにわたり、第一人者の知見を扱うので、結果的に様々な世界を知ることができるのです。
専門的なことを極めるのも素晴らしいことですが、自分の興味の範囲を超えて、半ば強制力をもって新しい世界に出会える。
出版社は学習好きな人の好奇心を満たすおもしろい場所だと思っています。

「本」という不思議な商品を売る面白さ

ディスカヴァーではどんな仕事をしていますか?
理系出身といってもキャリアは様々で、編集者もいれば営業マンもいるし、販売管理をする人もいます。
私自身は書店営業をした後に、データマネジメントや電子書籍事業に携わり、現在はECのプラットフォームを介して販売するオンラインセールス部門で、チームリーダーをしています。

ネットで本を買う人はこの10年で飛躍的に増え、その需要はますます高まっています。ラインナップが多彩で、化粧品や食品のように同じ商品をリピート購入することがない「本」という不思議な商品を、オンラインでどうやって売り伸ばしていくか。これから試せることがたくさんあるし、マーケティングの本にも事例のない未踏の地を開拓するような面白さを感じています。

自分たちの仕事の先に、誰かの人生がある。

「どうしたら、必要とする人に本を届けられるか」というのは戦略をつくるときにメンバーでとことん考える点です。

その原体験は、「伝える仕事」がしたいと思って出版社に入った1年目の書店営業時代にあります。九州出身の人気アーティストの書籍を刊行した際、本が届かなかった書店様から「どうして教えてくれなかったの」とお電話をいただいたんです。後日、足を運んで一緒に売り場を作ったのですが、直取引のディスカヴァーでは「自分が営業しないと、本は読者まで届かない」という責任をひしひしと感じました。
丹精こめて作った一冊の価値や魅力を読者に知ってもらうために、営業がなくてはならない。
「伝える仕事」の存在意義を感じた出来事でした。

オンラインセールスの仕事は、読者の存在をよりダイレクトに感じる仕事です。届けるために工夫を重ねて、その結果が売上やアクセス数、レビューで明確にかえってくる。読者からの感想を読むと、いつも初心を思い出します。
自分たちが届けた先に読者がいて、その人の人生に少なからず影響を与えていることが原動力になっています。

挑戦者にとっては、逆境こそ面白い。

これから挑戦したいことは?
出版は長らく斜陽産業と言われています。しかし、挑戦者にとってはそんな逆境こそが面白い。まだまだ可能性があります。
出版の世界では、100万部のベストセラーは資本が大きくないと作れないわけじゃない。
大手じゃなくても工夫次第でチャンスはつかめる。
マーケティングもシステムもテクノロジーも、試せる余地がたくさんあるのでチャレンジしていきたいです。
仕事で大切にしていること
「すぐやる」 アイディアを思いついたら、すぐに誰かに話して行動するようにしています。
自分の頭だけで考えると自己解決して終わってしまいがちですが、誰かと話すと可能性が広がる。
最初の一歩をふみだすために、「すぐやる」ことを大切にしています。
ディスカヴァーのここが自慢!
「変わり続ける」意志があるところ。
新しいことに挑戦し、高みを目指していくのは大変なことも多いですが、失敗を避けるだけじゃなく変化を起こし続けようと仲間と試行錯誤できるのは面白いですし、組織としても強いと感じています。
就職活動をする方へメッセージ
就職活動のときは、研究者としての進学と就職とどちらがいいのか悩みました。一生の選択のつもりで飛び込んだわけですが、今は「また研究をしたいと思ったらそこからまたスタートすればいいじゃないか」と思っています。
思い切ってチャレンジすれば、自分でも思っていなかった可能性は広がります。
「人はいつからでも学び、成長することができる」というディスカヴァーのメッセージにあるとおり、自分のキャリアも自分で作っていく。そんな風に考えると、選択肢がより広がるかもしれません。