INTERVIEW1 編集へのキャリアチェンジ

ディスカヴァーに入社後、様々なキャリアに挑戦するスタッフに人事担当者がインタビュー。
入社のきっかけ、これまでに経験した仕事、転換期に考えていたこと、これから挑戦したいことについて聞きました。
橋本莉奈
橋本莉奈
第3編集部所属 2014年新卒入社
入社後、営業部で7年間キャリアを積んだ後に編集部に異動。担当した書籍は『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』『心の容量が増えるメンタルの取扱説明書』など。最近ハマっているのは、スパイスカレー、お笑い、ジム通い。

やっぱり、本が好き。
原点をみつめて、営業から編集へキャリアチェンジ。

営業部から編集部に異動して、少したちましたね!もう慣れましたか?
ちょうど編集部に異動して半年ほどです。
最初は、自分が何をやっているのかわからないほどてんやわんやな毎日でしたが(笑)、ようやく全体の流れが見えてきたところです。
これまで、どんな仕事をしてきたか教えてください
新卒で入社してから、営業部でおよそ7年間、仕事をしてきました。
ディスカヴァーでは配置換えやチーム変更が柔軟に行われるので、営業部にいたときも、書店営業チームと本部営業チームを行ったり来たりしながら、それぞれ3年半ずつくらい経験しました。
編集部に異動した経緯は?
私はどちらかというと、目の前の仕事をがんばるタイプ。入社した当初は営業の仕事に対しても「人見知りだし、自分にできるかな?」と思っていたのですが、やってみたら楽しくて!気がつけば5年ほどたっていました。
アシスタントマネジャーに昇進し充実した日々でしたが、これから30代、40代へ向かっていくうえで、自分は何をしたいのか、何をしているときがいちばん楽しいのか、ふと立ち止まって考えてみたんです。

そのとき、原点はやはり「本」だということに気がつきました。

ある書店のバイヤーさんが商談のときに「この本はどんな人に手に取ってもらいたいか?」「どういう悩みを持っている人が、どんな気持ちで買っているのか?」ということをよく聞いてくださったんです。在庫の消化率などの数字を改善したり売上を伸ばしたりするのも大切な仕事でやりがいを感じていましたが、本を届けた先にはどんな「人」がいるのか、手に取ってくれた人の人生に本がどうつながっていくのか。そんな話をしているときがとても楽しかった。
本を届ける仕事も好きだけど、より深く本に近づける仕事をしたい、と入社5年目あたりでついに編集職に興味がわいた!という感じです。

そこからの行動は我ながら早く(笑)、編集のセミナーや勉強会に出かけて知見を広げたり、コピーライターの阿部広太郎さんの企画講座に参加したりもしました。
その内容に感銘をうけて、阿部広太郎さんにぜひ本を書いてもらいたい、そしてそれは、自分が作りたいと思い、まずは阿部さんの本をつくることが目標になりました。(のちにはじめて企画した一冊『それ、勝手な決めつけかもよ?』になりました)

正解がない仕事だからこそ、
ぶれない自分の軸をもつ。

仕事の難しさや楽しさ、やりがいについて教えてください
大変なところは「正解がない」こと。
もともと世の中に存在しないものを作るので、「ここまでやったらOK」という基準がありません。
最後は、著者さんと一緒にこれまで作りあげてきたものと自分の感覚を信じるしかないので、「信じられる自分」をいかに作っていけるかが大切だと思っています。

それから、本を一冊作りあげるには、様々な工程があり、多くの方が関わります。そこで自分がハブになって、「どんな本にしたいか」というビジョンを共有しながら、適切なタイミングで適切にパスを渡していく。
言葉で言うのは簡単ですがいざやってみると難しいです。それでもまずは自分が本に対してぶれないように進めていくのが大事だと思っています。
やることとスケジュールを決めて、方向性をぶらさないようにものごとを進行するのは、営業部のときのプロジェクトマネジメントの経験に助けられています。
本のテーマをつめていくときは、著者さんとたくさん相談しながら進めていくのですが、それは営業で書店さんと目標を共有しながら売上を伸ばす過程と似ているかもしれません。
話す内容は違えど、ビジョンを共有しながら同じゴールにむかって進んでいくのは、編集も営業も同じです。

本は著者さんにとって人生の一部となる大事なものですし、自分がぶれてしまったら、ぜんぶ崩れてしまう。責任とやりがいを感じています。 やることは無限にあるけれど、始めはアイデアだけだったものが少しずつ、本の形になっていくのはとても楽しいです。
営業経験が編集の仕事につながっている点はありますか?
マーケティング的な視点で企画を考えられるところは、営業経験による強みかもしれません。とくに書店営業チームにいたときは毎日、いろいろな書店さんの棚を見ていたので、企画をたてる際にも「この本はどこの棚に置かれるのかな?」「棚でコツコツ売れていくタイプなのか、話題書コーナーで仕掛けるタイプなのか?」「◎◎書店さんでハマりそう」ということを自然と考えています。
たくさんの新刊が店頭に並んでいる中で、どこの棚に、どんな本があったら手に取りたいと思うんだろうと、実際の書店さんの棚で想像することもあります。

データを見るだけではわからない、本が売れていく感覚も営業を長年やっていたからこそ持てていると思っています。
データ上では「5冊入荷の3冊売れ」という細かい数字でも、その背景にはPOPでの販促や、細かく補充をしてくれる書店さんの存在があります。
「本が1冊売れる」ということがいかに大変なことなのか知っているつもりなので、そのことが売れる本を作りたいという気持ちにつながっています。

ほかには、基本的な「伝える力」はかなり鍛えられたと思います。お忙しい書店員さんに、短い時間で本のおもしろいポイントを伝えるスキルは、社内で新刊情報を説明する際にも役立ちます。
私はPOPを作るのが好きで営業部みんなで使うものもよく作っていたのですが、その経験は帯の文言や、ネット書店で使用するコピーを考えるときにも役立っていると感じます。
自分が編集をした書籍のPOPも手描きで作れるので、自主的に作って営業部に共有したり、営業部から頼まれて作ることもあります。

チームで成長できるのがディスカヴァー

これから挑戦したいことは?
編集者の仕事のよいところは、自分が話を聞きたいと思った方にお仕事として話を聞きに行けること。お話を聞きたい方が何人もいるので、その方たちの本を作っていきたいです。
そして、10万部以上のヒットもたくさん出していきたいですね。売れるということはそれだけ読者のみなさんに喜ばれたということですし、著者さんを始め本づくりに関わってくれた人たちも、書店さんも、ディスカヴァーも、みんながうれしい。そんな本を大事につくっていきたいです。
あとは、「橋本さんといえば◎◎」という自分なりのスタイルや強みも見つけていきたいです。
仕事で大切にしていること
「自分の意志をもつこと」。
書籍づくりで悩んだときには編集部の先輩や営業部に意見を聞きますが、最終的には編集担当である自分に判断がゆだねられます。すべての選択に「自分はどれがいいと思うのか」「なぜいいと思うのか」という自分の意志や、自分なりの理由を持つことを大切にしています。
ディスカヴァーのここが自慢!
「みんなやさしい&人がいい」
編集部も基本はリモートワークで仕事をしています。初めての仕事もオンラインで進めることがほとんどなのですが、わからないことも気軽に相談・質問をしやすい雰囲気にとても助けられています。
先輩たちも忙しいですが、相談すると気軽に優しく教えてくれるので、slackのオープンなチャンネルでたくさん質問を投げかけています。編集者は個人プレーと思われがちですが、ディスカヴァーはチームで本づくりをしているので、周りの人に相談しながら成長できる環境だと思っています。

「組織の柔軟性」
営業部で7年経験をつみアシスタントマネジャーになった後でのキャリアチェンジも応援してくれて、その柔軟性が嬉しかったです。あらためて、個人の成長を応援してくれる会社だと思いました。
就職活動をする方へメッセージ
私自身は、本屋さんも書籍も、文章を読み書きするのも好きだったので、「本」や「文章での発信」に携わる仕事をしたいと思い、出版社や新聞社の選考をうけていました。
でも、自分ではどの職種が向いているのかよくわからず、会社によって営業職や編集職、ビジネス職や記者などバラバラの職種を受けていたんです。
正直なところ、自分に向いているかどうかなんて、やってみないとわからない。いろいろな仕事を任せてもらえるほうが、自分がどの分野で力を発揮できるかわかるのではないかと思い、ディスカヴァーに入社を決めました。
会社の雰囲気が明るく活気があって、よい意味で出版社らしくないところと、新規事業にどんどんチャレンジしていく社風に魅かれたのも理由です。
私のように職種を決めきれない方は、「自分の好きに近いか」「可能性を試せるか」といった視点を持つのもよいかもしれません。