劣化する日本 再生への10のシナリオ

劣化する日本 再生への10のシナリオ

著 | BSフジ・プライムニュース
1100円 (税込) ※1

ページ数:296ページ
発売日:2012/3/11
ISBN:978-4-7993-1141-7

Product description 商品説明

「少子高齢化」「社会不安」「社会保障」「エネルギー」「財政危機」「成長戦略」「外交・安保」「国と地方」「教育」「政治とリーダーシップ」焦点となる10のテーマについて、各界のスペシャリストが提言!

多くの危機に瀕しながらも行く末が見えない、課題先進国日本。止まらない少子高齢化、ゆきとどかない社会保障、揺れるエネルギー政策、膨大な財政赤字、低迷する景気、脅かされる国益……そこに追い打ちをかけたのが3.11の震災と原発事故であり、政治家の力量不足も明らかになった。もはや一刻の猶予も許されない。各分野の識者18人が、劣化する日本の現状を明確にし、具体的な処方箋を示す。

片山善博/北川正恭/日下公人/小宮山宏/堺屋太一/坂根正弘/白石真澄/白波瀬佐和子/宋文洲/但木敬一/中島厚志/中西輝政/御厨貴/宮本太郎/武藤敏郎/森本敏/山内昌之/山田昌弘


(「はじめに」より)
この本はできるだけ早く読まれるべきです。手遅れは許されません。なぜなら日本はわれわれが想像する以上の速度で劣化しつつあるからです。しかしまた、この本はできるだけ慎重に読まれるべきなのです。ときにはページに付箋をつけて、1行1行、確実に。なぜなら日本再生への道はわれわれが想像する以上に困難だからです。

さて、この本は2011年10月24日から11月4日まで、「BSフジLIVEプライムニュース」が、10回にわたり特集した「日本創建への10のシナリオ」をほぼそのまま書籍化したものです。「なんだ、テレビ番組の焼き直しか」と言われるかもしれません。しかし、この「プライムニュース」という番組は並みの番組ではないのです(正確には、われわれスタッフはそう思っています)。その理由は本の最後でご説明します。

「よし、2週間、ぶっ通し、日本創建への10のシナリオ。それでいこう」
前代未聞の10回連続特集にゴー・サインが出たのは、放送予定の1カ月前でした。かつての右肩上がりの経済成長は終わり、わが国はついに人口減少社会に突入した。世界中で最も早く進む少子高齢化社会。そして借金まみれの国家財政。しかし政治は混迷するばかりで何も決まらない。日本丸はどこを目指せばいいのか。われわれの特集は、その進路を定める羅針盤とならなければならない。わが国が抱えるさまざまな問題を現代の「知の巨人たち」に語ってもらう。病巣にメスを入れるだけでなく、具体的な処方箋を示してもらう。それがシリーズ全体のコンセプトでした。
この本の各章の見出しをご覧ください。このラインナップは、われわれの問題意識を素直に提示したもので、案外、すんなり決まりました。もちろん、これで日本の重要な問題をすべて網羅していると言うつもりはありません。たとえば、震災復興の問題は、当面の最重要課題と承知しつつ、日頃の企画との差別化という観点からあえて外しました。
ゲストの方々については、よくこれだけの顔ぶれが並んだものだと思います。皆さん、活躍されている分野はさまざまですが、いずれも日本の明日を憂えている方ばかり。発想も語り口も見事で、下手な政治家など比較になりません。

ここで各章のさわりを私なりに、紹介しておきましょう。先入観を持たずに読みたい方は、ここは飛ばして本文にどうぞ。

少子高齢化――悲観せず、強みとして生かそう
ゲストの日下公人氏は、日本長期信用銀行役員出身の論客だが、その未来を見すえた独特な発想と魅力的な語り口は、80歳を過ぎたいまも健在だ。誰もが少子高齢化に危機感をいだくいま、日下氏は「悲観することではない」と言ってのけ、「日本は少子高齢化先進国の強みを生かせ」と主張。これだけでも驚きだが、日下氏は次々にいわゆる常識を覆すアイデアを繰り出す。

社会不安――安心・安全社会は雇用の安定から
ゲストは元検事総長の但木敬一氏。但木氏は検事出身らしく、犯罪件数と失業率の相関関係から安心社会実現のカギが雇用にあることを指摘する。そして自殺者の若年化と若年失業率の高さは何を意味するのか。

社会保障――社会保障改革で日本を元気に
ゲストは「社会保障と税の一体改革」における理論的支柱ともいえる存在である北海道大学大学院教授の宮本太郎氏。人生前半は安定した雇用、後半は高齢者向けの社会保障に特化していた日本型システムが壊れつつあると指摘。雇用と社会保障の相互乗り入れという新しいシステムを提言する。その狙いと具体的政策は。

環境と経済――地球規模の視点を忘れるな
ゲストはコマツ会長で経団連副会長の坂根正弘氏。世界のトレンドを考えながら日本の政治を見るとどうなるか。たとえばTPPを論じる際、大事なのは日本がアメリカの前にアジアとの関係を固められるか、そして食料危機の到来を念頭に置くことであると指摘。政治家の議論を見ていると、「こういう人たちにこの国は任せられない」と怒りを表明。さらに日本がとるべきエネルギー政策とは。

財政危機――増税や年金減額などの『苦い薬』も必要
ゲストは財務省事務次官や日銀副総裁を歴任された大和総研理事長の武藤敏郎氏。なぜ日本の国の借金が1000兆円にもなろうとしているのに、国債が売られないのか。武藤氏はその原因は日本の国民負担率がアメリカ並みに低いからだと指摘する。日本の消費税率は世界的に見ても極めて低い。やはり消費税増税は避けられないのか。

成長戦略――危機こそ成長に向かうチャンス
ゲストは作家の堺屋太一氏。堺屋氏は、国の借金はインフレによって目減りさせるべきで、増税が必要だというのは、財務省を中心とする官僚機構が預金を守ろうとする過去志向の誤りである、と主張。武藤氏と正反対の提言だが、果たしてどちらが正しいのか。

外交・安全保障――正しい歴史観と国家観を持て
ゲストは京都大学大学院教授の中西輝政氏と拓殖大学海外事情研究所所長の森本敏氏という外交安全保障のエキスパート。経済と安保はひとつだという中西氏は「日本はグローバリゼーションの終焉に備えよ」と提言、森本氏は歴史観の大事さを説きますが、両者とも日本版NSC(国家安全保障会議)の創設」で一致する興味深い展開に。

国と地方――国に頼らない自治体を創る
ゲストは前総務大臣で慶應義塾大学教授の片山善博氏。地方自治のエキスパートは、今回の大震災で、「自治体ができることは自治体がやらなくてはいけない」と痛感した。たとえば仮設住宅の適地は、地域の実情を知らない国にはわからない。「地方自治というのは、結局は自業自得なんですよ。それだけの覚悟がありますか」片山氏の言葉は重い。

教育――日本人としての立ち位置を定める
ゲストは経済産業研究所理事長の中島厚志氏。エコノミストである中島氏が、なぜ教育なのか。中島氏は「国民意識の反映が政治」だという。日本の国がどのような社会を目指すのか。日本人がその立ち位置を認識するためには、「アイデンティティーを見つめ直す教育」が必要だと提言する。われわれは何者なのか。

政治とリーダーシップ――政治家に必要な三つの力
ゲストは東京大学大学院教授で歴史学者の山内昌之氏。政治家には大局を見渡す総合力が必要である。現代日本の政治家にそれがないのは、挫折や敗北、屈辱といった経験が足りないからではないか、と分析する。そして学ぶべきは勝海舟の生き方だというのだが……。

以上、簡単に予告編を並べてみました。10本もあると、いろいろな具があって幕の内弁当みたいな印象ですが、お腹がもたれるようなことはないでしょう。文字通り語りおろしですから、すいすい読めてしまうと思います。さあCMの後は、本日のテーマ「再生への10のシナリオ」についてゲストの話をじっくりうかがいます。ブレインキャスターとしてお招きした、時間の関係で提言をいただけなかったのがもったいないくらいの贅沢な顔ぶれによるコメントにもご注目ください。

フジテレビ解説委員・プライムニュース企画総括 小林泰一郎

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