こころ歳時記

こころ歳時記

著 | 吉元由美
絵 | 片岡鶴太郎
1800円 (税抜)

ページ数:232ページ
発売日:2012/10/12
ISBN:978-4-7993-1230-8

Product description 商品説明

あらためて味わいたい、四季のある美しい国に生きる幸せ。
日本古来の行事と暮らしを、吉元由美の情感溢れる文章と片岡鶴太郎の美しい絵で綴ります。

なじみ深い「お正月」「ひな祭り」「端午の節句」の本当の意味は?
「蓬摘札」「芒種」「蟋蟀在戸」とは?
知らなかった日本に出会える本。

また「美しい日本の言の葉」として、「お陰さま」「心尽くし」など著者の愛する日本語も紹介している。

・オールカラー 232 ページ
・初版限定 2013 年特製「月暦」つき

(「まえがき」より)
四季のある美しい国、日本。散りゆく桜の花のはかなさに美しさを見いだし、五穀豊穣を願いながら稲を植える。夏の暑さを打ち水、風鈴、氷、簾(すだれ)と、涼やかさを五感に働きかけてしのぐ。そして秋は収穫の喜びと感謝を田の神に捧げ、来るべき年の平安を願い新年を迎える支度に励む。一年を通して、現代を生きる私たちに伝えられてきたさまざまな行事やおまつりごとがあります。そこには、自然と共にあり、自然に生かされている人間の祈りと、自然から学んだ知恵があります。お正月、節分、雛祭り……今ではイベントのようになってしまった行事の深い意味を知っていくと、それらが『神事』であることがわかります。

私たちはふたつの時間を生きていると言います。ひとつは、生まれてから死ぬまでの直線的な時間。そしてもうひとつは、春夏秋冬と毎年繰り返されるサイクルの時間です。直線的な時間とサイクルの時間。私たちはサイクルの時間の中で、直線的な時間を生きているのです。そしてもうひとつ言うなら、直線的な時間を終えた私たちの魂は、直線もサイクルも超えた永遠という時間の中で生き続けるのかもしれません。

サイクルの時間の中に生きている私たちは、同時に私たちの中にもサイクルの時間を内包していると言ってもいいでしょう。季節によって私たちの身体も変化を起こします。それに逆らうようなことをすると、身体を壊します。ですから、その季節にはその季節を過ごすような生活をすることが大切だと思います。たとえば、冬には身体をあたためる野菜を食べる。今は冬でも夏の野菜が手に入りますが、冬に夏野菜を食べると身体を冷やし、体調を崩す原因になります。

先人の知恵や風習を、「科学的でない」「迷信にすぎない」と一蹴する風潮もあります。でも、どんな科学や、進歩的な技術をもっても自然の力には敵わないということを、私たち日本人は痛いほど体験しました。自然と共に生き、自然に生かされているということ。時に荒ぶる自然は、人間に何を問いかけているのでしょうか。

季節の流れを私たちの身体と心にもう一度取り戻すこと。そして先人たちが遺した知恵と日本の文化を味わうことで、新しい視点が生まれるでしょう。今まさに、自分自身の、そして日本人としての生き方を考える時期を与えられているのだと思います。

日本古来の風習を生活に取り入れてみると、それが実に理にかなっていることに驚きます。二十四節気、雑節は、先人たちの観察眼と自然科学に対する知識の賜物と言えましょう。おまつりごとには、私たちの命を支える五穀豊穣への祈りと感謝がこめられています。そしてそれは今でも各地で執り行われ、私たちの命をつないでいるのです。

また、日本に残る多くの農耕儀礼は、私たち日本人の遺伝子の中に「生かされている」という感謝と謙虚さを伝えていると思います。何事にも感謝できる心は豊かさを生みます。それは決してかたちあるものばかりではないかもしれませんが、心の豊かさは見えない力となってまわりへ伝わっていくのです。
 さらに、第二部では私が好きな日本語の美しい言葉をご紹介しています。その言葉の美しい意味を生きること。美しい日本の風習を心に取り戻し、美しい日本の言葉を思い出し、日々の生活を送るようになれば何かが変わるかもしれない。そんな期待に胸がふるえるのです。

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