「筋肉」よりも「骨」を使え!

「筋肉」よりも「骨」を使え!

著 | 甲野善紀
著 | 松村卓
1100円 (税込) ※1

ページ数:256ページ
発売日:2014/5/22
ISBN:978-4-7993-1491-3

Product description 商品説明

武術研究の第一人者・甲野善紀とスポーツトレーニングの革命児・松村卓による、かつてない革新的な「身体の使い方」を提唱する対談。

古武術の世界から日本人の身体性について発言してきた甲野氏と、
元陸上100メートルのスプリンターで「骨ストレッチ」を開発し短距離の
若きホープ桐生選手の指導で知られる松村氏が、
日本人が伝統的な身体の使い方を失っていることに
警告を発するとともに、誰でも実践できる、
心地よく楽な身体の使い方を指南する。

甲野氏は、スポーツの常識である「筋力に頼った身体の使い方」に疑問を投げかけ、「無駄な力を使わずに最大限の効果を引き出す、日本古来の武術の身体操法」について研究してきた。
身長168センチ、体重68キロほどの体格ながら、一流の柔道家の技を難なくかわしたり、ラグビー選手のタックルを苦もなくかわしたり、真剣を竹刀より速く変化させたり……現代武道やスポーツの常識では考えられない動きを見せることができる。

甲野氏の技法にヒントを得て独自に展開させたのが、「骨ストレッチ」というメソッドを開発した松村氏だ。もと陸上100メートルのスプリンターとして自己最高10秒2の記録を残すなど活躍し、トレーナーに転身。ケガの絶えなかったトレーニング法を根本から見直し、「筋肉」ではなく「骨」の動きを重視したメソッドを指導している。このメソッドを取り入れている一人が、陸上100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀選手だ。

腕力を使って力づくでねじ伏せようとするより、コツ(骨)をつかみ、無駄な力を極力使わないほうがいい結果が出せる。

このように二人は言う。目に見えるわかりやすいもの(=筋肉)を動かすには、目に見えない。とらえ難いもの(=骨)の活用が必要なのである。
身体を鍛えるために「腹筋」を欠かさない……もしかしたら、こんな当たり前のようになっている習慣の中に、生き方を不自由にさせている原因があるのかもしれない。

二人の対談を通じてこうした束縛に気づき、「発想を変えることで、もっと自由な生き方ができる!」という希望を感じていただきたい。

Index 目次

第1章 常識を根本から疑ってみる
ストレッチも筋トレも役に立たない?/スポーツを科学でとらえることに無理がある/腕をまわせばわかることなのに……/論文よりも先に結果が出てしまう世界/「科学的に正しいか」ばかり気にしても……/「数字やデータ」より「実際に何が出来るか」/竹刀より真剣のほうが速い?/いまの剣道は不合理な動きのほうが多い/「腹筋」するほど身体は動かなくなる/大事なのは固めることよりほぐすこと/上達するための2つの秘訣/ゴルファーの成績が安定しないのはなぜ/本能的な動きをいかに再現するか/「火事場の力」を引き出すには/アスリートに大事なのは「考えないこと」

第2章 ここ一番の力をいかに出すか 
ゴールが自分を迎えてくれた/ボルトの走りは武術の動きに近い?/筋力に頼った走りでは外国人に勝てない/体幹を支える「骨」の重要性/肋骨は身体の動きを「助ける骨」/コツをつかむは「骨をつかむ」?/バトンを持ったほうが速く走れる/地面とケンカをして走らない/楽しいことであれば身体は壊れない/怒鳴られてやるのが体育の「常識」/「苦労知らず」のほうがここ一番に強い/「闘争心」はどこまで必要なのか/これまでの理論が通用しなくなる時代

第3章 窮屈な社会で自由に生きる 
生き方が変わったという実感/一流の人ほど臆病になりやすい/やってみせ、言って聞かせて、させてみせ/あの走りだったら9秒台が出る!/スポーツには人の意識を変える力がある/勝つことより生き延びることが大事/人が決めたルールに左右されない/オープンにすると上達も早くなる/否定することで先へ進める/80キロの体重差でも相手を崩せる/アメリカのやり方を真似るだけでは……/「海外に行ったら強くなる」は幻想?/まず骨が動いて筋肉が従う

第4章 日本人の潜在能力を取り戻す 
昔の日本人の並外れた身体感覚/日本人と西洋人は身体の使い方が違う/日本文化は消滅の危機に瀕している/ハードな仕事を余裕でこなすには/若い頃よりもずっと速く動ける/不都合なことに出会っても嫌がらない/わからないことはわからないと認める/見かけだけのコピーでは意味がない/失われた身体の知恵をどう甦らせるか/学校の科目は「体育・歴史・国語」で十分/人間が生きているという原点に立ち返る/企業は大卒を採るのをやめればいい/まず余計なものを取り除くだけでいい

第5章 スポーツから日本が変わる時 
スパイクがないほうが速く走れる/「僕が9秒台で走ればいいんでしょう?」/骨の動きを筋肉が邪魔している?/ウエイトトレも体幹トレも必要ない/フィジカルとメンタルはつながっている/身体が動くだけで前向きになれる/自分の感覚で導き出したものに従う/トレーニングしても芸術は生み出せない/スポーツ選手の意識が変わりつつある/無駄な力が抜けると笑顔が生まれる/トップクラスの指導者も驚く武術の動き/「骨から動く」と気配が消える?/身体には無限の可能性が眠っている

第6章 イメージを力に変えるコツ 
長く記憶に残る新しい発見/脳を介さずに気配だけを動かす/「ハラ」や「丹田」がラクに実感できる/「内観的な身体」をどう使うか/引いたほうが大きな力が出せる/身体からの指示に従ってみる/肩甲骨をさわるだけで走りが変わる/動作確認で心地よさをチェックする/足の指が開くと力が出せない/いい動きが出来た時は疲れない/高いレベルが想像できるところで学ぶ/相手に予想されにくい「井桁」の動き/自由な動きを妨げている場所をほぐす/「俺が、俺が」という自己主張をやめる

第7章 気骨のある自分になるために 
ガンダムの「モビルスーツ」がヒントに/親指と小指をつなぐと刺激が伝わる/鎖骨を押さえるだけでパワー倍増!/体幹トレのどこが問題なのか?/出会うべき人とは必ず出会える/凝り固まった常識もほぐしていく/つねに具体例を示せることが大事/大腿骨骨折が治癒したすごいエピソード/意識しにくいからこそ可能性がある/骨は人の意識にも関係している?/目に見えない骨を感じる力/身体のパーツが連動しながら動いている/死んでも残るものを大事にする

Author description 著者情報

甲野善紀

1949年東京生まれ。78年松聲館道場を設立、日本古来の武術の身体操法を古伝書と実技の両面から実践的に研究。各地で武術に関する講座などを行う。著書に『表の体育 裏の体育』(PHP研究所)『剣の精神誌』(筑摩書房)『古武術の発見』(共著:養老孟司・光文社)『武道から武術へ』(学研)など。
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松村卓

1968年兵庫県生まれ。陸上短距離の走者として活躍後、スポーツトレーナーに転身。ケガが多かった現役時代のトレーニングを見直し、筋肉ではなく骨の活用に重点を置いた「骨ストレッチ」「松村式ランニング」を考案、多くのアスリートの指導にあたる。著書に『「骨ストレッチ」ランニング』『誰でも速く走れる骨ストレッチ』(講談社)など。
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