カラマーゾフを殺したのは誰か?

カラマーゾフを殺したのは誰か?

著 | 津田岳宏
1100円 (税抜)

ページ数:328ページ
発売日:2014/6/19
ISBN:978-4-7993-1504-0

Product description 商品説明


その証言、嘘か本当か。
裁判の世界はこんなに面白い!

裁判員制度が導入され、冤罪報道が新聞やテレビを賑わせている。また法廷を舞台にしたドラマやゲームの大ヒットもあり、ここにきて裁判への関心が急速に高まっている。

しかし一方で、検事と弁護士は法廷でどのようなやりとりを交わしているのか、裁判官はどのように双方の証言をきき、その真偽を判断しているのか、私たちは意外とよくわかっていない。

世界文学の最高峰『カラマーゾフの兄弟』のクライマックスは、裁判シーンである。カラマーゾフ家の父であるフョードルが殺害され、容疑者として長男ミーチャが逮捕される。ミーチャは容疑を否認するが、状況証拠からは彼が殺したとしか思えない。さまざまな証言が行き交うなかで、裁判は進んでいく――。

本書のテーマは、『カラマーゾフの兄弟』の裁判シーンを通じ、裁判における「事実認定」の基本的な部分を知っていただくことにある。事実認定というと難解で専門的に聞こえるが、平たくいうと「嘘と本当の見分け方」である。

裁判というのは、とどのつまり、「当事者の話が嘘か本当か」という点に議論が集約されることが多い。そして法律家は、人の話の真偽を見極めるノウハウを学んでいる。本書を読んでいただければ、その基本的な部分を理解できるはずだ。「嘘と本当の見分け方」を身につけることは、人間関係のトラブルや男女の悲劇を防ぐためにも役立つことだろう。

読者のみなさまには、ぜひ、被告人ミーチャが有罪か無罪かを判断する陪審員になったつもりで読み進めていただきたい。

Index 目次

はじめに
登場人物紹介

第1部 起訴状朗読
 解説 先入観にとらわれない

第2部 検察側証拠
検1号証 カラマーゾフ家召使グリゴーリーの供述調書
検2号証 グリゴーリーの妻マルファの供述調書
 解説 「推認」とは?
検3号証 学生ラキーチンの供述調書
 解説 擁護が逆にマイナスになることも
検4号証 被告人ミーチャの供述調書(殺人の否定)
 解説 過去を聞いて追い詰める
検5号証 カラマーゾフ家召使スメルジャコフの供述調書
 解説 もう一人の容疑者
検6号証 友人ペルホーチンの供述調書
検7号証 恋人グルーシェニカの供述調書
検8号証 宿屋の主人トリフォンの供述調書
 解説 一人だけでは信用できない
検9号証 被告人ミーチャの供述調書(強盗の否定)
 解説 真実には細部がある

第3部 弁護側証拠
弁1号証 婚約者カテリーナの証言
弁2号証 恋人グルーシェニカの証言
 解説 馬鹿な男の自己責任
弁3号証 グリゴーリーへの反対尋問
 解説 目撃者の落とし穴
弁4号証 金の入った封筒についての証言
 解説 「聞いた話」は一枚落ちる
弁5号証 ミーチャの所持金についての証言
 解説 数は分からない
弁6号証 スメルジャコフの婚約者マリヤの証言
 解説 人柄の相対性
弁7号証 弟イワンの証言

第4部 論告・弁論
1 論告
2 弁論
 解説 合理的な疑い

第5部  答え合わせ
 解説 それは嘘か、本当か

Author description 著者情報

津田岳宏

昭和54年生まれ。弁護士。京都大学経済学部卒業。京都グリーン法律事務所所長。著著に『弁護士には聞きにくい――知って助かる!法律相談』(青春出版社)、『賭けマージャンはいくらから捕まるのか』(遊タイム出版)などがある。
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