インターネットは永遠にリアル社会を超えられない

インターネットは永遠にリアル社会を超えられない

著 | 古谷経衡
1100円 (税込) ※1

発売日:2015/2/26
ISBN:978-4-7993-1617-7

Product description 商品説明

「インターネットは世論を反映している」という世界観が、いまだに社会にはびこっている。ネットで目立つ言論や、それに対する反応は、氷山の一角として飛び出した存在であり、海面下にはその何万倍もの人々がいる……そんな固定観念は、まったくの誤りなのだ。また、ネットが社会をつなぎ、「新しい価値を創造する」というのも嘘である。
古色蒼然たる「ネット万能論」は害悪でしかない。本書は、「インターネットは無効である」ことを、さまざまな角度から点検していく。ネットユーザーの手前勝手な思い込みには疑問を呈し、ネットの声に必要以上に反応し、ありもしない価値を見出してしまう人々に対しては警鐘を鳴らすものである。

Index 目次

序章 インターネットという島宇宙
再生回数では世論は推し量れない
ネットが革新的だと信じ込んでいいのか?
もの言わぬ沈黙の民
島宇宙に存在する見せかけのマジョリティ
エウロパの氷とその下にあるもの
古色蒼然たるネット論を捨てよ

第一章 僕たちが見ているものは何なのか
「氷山の一角」理論の嘘
ほとんどは「読むだけの人」(ROM専)
日本人に特有の時間の使い方

第二章 亀の甲羅の中の人
次世代の党の誤算
ネットでは人気野党第1党
「もの言わぬ人」は沈黙でNOを示す
「君側の奸」理論は受け入れられたか?
「ネット保守」の声は国会議員2人分?
「田代祭」が示す世論との乖離
「閣下当確キター!」の熱狂と現実
島宇宙を横断する「マス」の不在

第三章 ネットは既存メディアの「反射空間」
不毛なニューメディアVSオールドメディア論
「バルス」を唱える仲間たち
オールドメディアは駆逐される?
ネットニュースの出どころは……
ネット独自のニュースなんてほとんどない
斜陽産業に頼りきりのニューメディア
アンチ・大手メディアの矛盾
オールドメディアへの呪詛
活字こそが本来のネットの姿だった
ユーチューバーへの幻滅
借りものだらけのコンテンツ
劣化コピーの素人芸
反射空間にクリエイティビティはない

第四章 「現実」と「仮想」のはざまで
「仮想空間」と「現実空間」の優越論
電車男はネットを“卒業”しなければならなかった
ネットの差別的イメージ
「現実」と「仮想」はどちらが真なのか ――『ビューティフル・ドリーマー』
現実世界がなくても自我は存在できる――『攻殻機動隊』
あなたが決めた世界が現実――『涼宮ハルヒ』
空想は「空想」でしかない
現実があってこその仮想
中央銀行に寄生しただけのビットコイン
「現実」に抑制されるネット
ネットを拒みはじめる物流
クリックは1回だが運ぶのは人間
無人空輸は可能か?
日本から実店舗がなくなる?
黒船にはならなかった電子書籍
次々と電子化する漫画
記録媒体の未来は……

終章 それでも「現実」を求める人間
Facebookとザッカーバーグ
電子や光が世界を駆け巡ろうとも……
冷酷と優しさ
IT革命があっても人間の処理能力は変わらない
情報量は増えても、世界は狭くなる
昔から、現実は困難で複雑で理不尽
私たちがインターネットをはじめて使いこなす日

Author description 著者情報

古谷経衡

著述家。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。1982年札幌市生まれ。立命館大学文学部史学科卒。インターネット問題からアニメ・映画評論まで、幅広い分野で執筆、講演活動などを行っている。おもな著書に『欲望のすすめ』(KKベストセラーズ)『若者は本当に右傾化しているのか』(アスペクト)『知られざる台湾の反韓』(PHP研究所)『クールジャパンの嘘』(総和社)など多数。Yahoo!ニュース個人にて「誰もが知りたがっているくせにちょっと聞きにくい日本の全て」配信中。Twitter ID @aniotahosyu
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