認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ

認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ

著 | 佐藤眞一
執筆協力 | 島影真奈美
1650円 (税込) ※1

発売日:2023/12/22
ISBN:978-4-7993-3002-9

Product description 商品説明

もうイライラしない もっとやさしくなれる

認知症の人に伝わりやすい声かけで、コミュニケーションがラクになる!
認知症研究の第一人者が教える、すぐに使える「言いかえ」フレーズ


「何度も言っているでしょ?!」
「約束したんだからちゃんとやって!」
「いいかげんにして!」
認知症の人と話していると、イライラしてついこんなふうに言ってしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし認知症の人にその言い方ではうまく伝わらないため、同じことを繰り返してさらにストレスが大きくなってしまいます。
大切なのは、認知症の人の心を理解して、伝わりやすい言葉かけをすること。
認知症の人に伝わりやすい言葉がけができると、コミュニケーションが改善され、結果的に家族もラクになります。

本書では、具体的な場面ごとに、○✕形式で認知症の人にスッと伝わる言いかえフレーズを紹介します。
著者は認知症研究の第一人者で、40年間にわたって認知症の人の心理学を研究してきました。
その研究をもとに、認知症の人とうまくコミュニケーションが取れる話し方をわかりやすく紹介していきます。
また、認知症の基礎知識や、実際によくある質問へのQ&Aも掲載。
普通に読むことはもちろん、自分に必要な部分だけつまんで読むなど、事典のような使い方もできます。

<掲載されている言いかえフレーズ例>
CASE01 同じことを何度も質問する
×さっきも聞いたでしょ? ⇒ 〇カレンダーにメモしておくね
CASE05 外出するのを嫌がる
×病気になっちゃうよ ⇒ 〇気が向いたら散歩にでも行こうか
CASE08 同じものを何度も買ってくる
×もう買わないで! ⇒ 〇同じものがたくさんあるからメモしておこうね
CASE12 無気力、無趣味になる
×今からそんなに無気力でどうするの! ⇒ 〇音楽でも聴いてみる?
CASE17 薬を何度も飲もうとする
×もう飲んだでしょ ⇒ 〇(サプリメントを渡して)これを飲もうね
CASE24 町内を歩き回って迷子になる
×どこに行ってたの!? ⇒ 〇そろそろご飯の時間だから帰ろうか
CASE29 食べられないものを口に入れる
×こんなもの食べてはダメ ⇒ 〇こっちのほうがおいしいよ
CASE30 家族のことがわからなくなる
×ふざけないで! ⇒ 〇あなたの息子の○○です

Index 目次

はじめに
なぜ、言い方が大事なのか
推薦の言葉
認知症と診断されたら、チームをつくろう

第1章 認知症の人の心を理解する
記憶は忘れても感情ははっきり残る
そもそも、認知症ってなに?
図解でわかる 認知症の4つの種類
生活習慣を見直して、認知症リスクを下げる
あの言動の「なぜ?」がわかる 認知症の症状
●脳の損傷によって現れる「中核症状」
●精神や行動に症状が出る「周辺症状」
家族だからこそ心がけたい「言い方」がある
●怒らない・否定しない・共感する
●「コントロール」しない言い方で「ケア」をする
●認知症に関する不安や困りごとは地域包括支援センターへ
●生活しやすい環境を整える

コラム1「残る仕事の記憶」

第2章 スッと伝わる言いかえフレーズ
●疑い
CASE01 同じことを何度も質問する
CASE02 処方されている薬を飲まない
CASE03 過去の苦労話を繰り返す
CASE04 できないことをできると言い張る(→家電製品が使えなくなる)
CASE05 外出するのを嫌がる
CASE06 約束をすっぽかす
CASE07 電気や火を消し忘れる

●軽度
CASE08 同じものを何度も買ってくる
CASE09 暑い日に厚着をする
CASE10 トイレを手伝わせてくれない
CASE11 無口になる
CASE12 無気力、無趣味になる
CASE13 昼と夜が逆転する
CASE14 際限なく食べ続ける
CASE15 会計をせずに、商品を持って帰る
CASE16 汚した下着を隠している

●中等度
CASE17 薬を何度も飲もうとする
CASE18 デイサービスに行きたがらない
CASE19 お風呂に入らない
CASE20 暴力、暴言
CASE21 突拍子もない作り話をする(→ありもしない自慢話をする)
CASE22 物やお金を盗られたと言う
CASE23 幻聴、幻視
CASE24 町内を歩き回って迷子になる
CASE25 片づけない、ゴミをため込む
CASE26 浮気されたと妄想する
CASE27 意味のない行動を繰り返す
CASE28 世話してくれる人につきまとう

●重度
CASE29 食べられないものを口に入れる
CASE30 家族のことがわからなくなる
CASE31 介護者にセクハラする

第3章 家族の悩みQandA
Q1 認知症の親にイライラしてしまう
Q2 「いい加減にして!」「ふざけないで!」と強い言葉で否定してしまった
Q3 介護施設に入所してほしいと伝えたい
Q4 忘れられるのが悲しくて、やりきれない
Q5 詐欺や訪問販売の罠が心配
Q6 徘徊(ひとり歩き)をする親が心配
Q7 運転免許を返納してくれない
Q8 ちゃんと面倒を見なきゃと思ってストレスを抱えてしまう
Q9 認知症の親にガミガミ言ってしまい、自己嫌悪する
Q10 お金や貴重品をしまってある場所を教えてくれない
Q11 家族の言うことだと聞いてくれない
Q12 たまにしか来ない親族が、介護に関して口出ししてくる

コラム2「夕方に出て行ってしまうのは……」

第4章 お役立ち情報
介護保険サービス
公的な助成制度
介護施設

おわりに
参考文献

Author description 著者情報

佐藤眞一

1956年東京生まれ。大阪大学名誉教授。大阪府社会福祉事業団体特別顧問。博士(医学)。
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学後、1999年に埼玉医科大学より博士号授与。明治学院大学心理学部教授、マックスプランク研究所上級客員研究員などを経て、2009年に大阪大学教授に就任し、2022年に定年退職。
著者・共著は『認知症の人の心の中はどうなっているのか?』(光文社新書)、『マンガ 認知症』(ちくま新書)、『認知症plusコミュニケーション 怒らない・否定しない・共感する』(日本看護協会出版会)『心理学で支える認知症の理論と臨床実践』(誠信書房)など多数。
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島影真奈美

1973年宮城県仙台市生まれ。介護ジャーナリスト。一般社団法人マリーゴールド理事。NPO法人タダカヨ理事。
桜美林大学大学院老年学研究科に社会人入学した矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚する。
認知症介護の実体験をもとに、新聞や雑誌、ウェブメディアなどで執筆をおこなう。著書に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラクなる前に知ってきたいこと』(WAVE出版)がある。
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