夫が怖くてたまらない

夫が怖くてたまらない

著 | 梶山寿子
1100円 (税抜)

ページ数:304ページ
発売日:2016/6/23
ISBN:978-4-7993-1916-1

Product description 商品説明

繰り返される暴力・モラハラ… 女性の4人に1人がDV被害者? 被害者も加害者も、あなたの近くにいる!
加害者の心理や脱DVプログラム、子どもへの影響、アメリカの予防教育まで、これ一冊でわかる

「一日中、家に居るくせに、こんな手抜きをするとは、何をしてるんや!」 
夫が機嫌を損ねた原因は、夕食のカレーライスだった。妻の身体は軽々と持ち上げられ、まるでカエルでもぶつけるように、板の間に叩き付けられた。無抵抗に転がる妻を殴り、腕が疲れてくると足で蹴り、包丁の背で頭をゴンゴン叩いた。
暴力を収めるための妻の努力は裏目に出て、夫の怒りはエスカレートしていく。逆らわずに、ひたすらあやまるしか手だてはなかった。
「結婚してから、心から幸せだと思った瞬間なんてなかった。ポトンと真っ暗な井戸に落とされたみたいで……。出口がまるで見えなくて、いつもビクビクして。毎日、家に帰るのが怖かった」

―巧みなマインドコントロールにはまり、妻は夫から逃げられない。「わたしが悪いのだ。夫はかわいそうな人だから、わたしがそばにいてあげなきゃいけない」。学歴や収入、年齢も関係なく、あらゆる家庭に潜むDV。やさしかった夫はなぜ豹変し、悲劇が繰り返されるのか。子どものために耐えるのは正しいのか。

これは小説でも映画でもなく、この日本で起こった現実の話なのだ。
そして、あなたのまわりでも、きっと似たような悲劇が繰り返されているに違いない。そばにいるあなたも気づかないうちに。





Index 目次

序章
親友の告白 
OJ・シンプソン事件が変えたアメリカ 
「離婚はしない」 
ドメスティック・バイオレンスとは何か 
幸せなはずだった結婚 
2ヶ月で暴力が顕在化 
裸足で逃げ出した夜 
「子どもはいらない」と言った夫 
死さえ覚悟した夜 
古い価値観に縛られる日本の妻たち 
自分のなかにある〝世間〟を乗り越えて 

第2章 男たちはなぜ殴るのか
「殴ったことなどない」 
DV加害者の特徴 
「男らしさ」と暴力 
古い価値観は若い世代にも 

第3章 子どもたちの苦悩
「パパのこと好きでいたいのに」 
DVと子どもの虐待 
複雑に絡み合う家庭内の暴力 
両親に翻弄される子どもたち 
暴力の連鎖という悲劇 
「父親はいたほうがいい」という誤解 

第4章 DV防止法後も変わらない「いい妻」の呪縛
わたしが我慢すればいい 
「3人にひとりは被害者」という衝撃 
DV防止法をめぐる動き 
変わったこと、変わらないこと 
生真面目な人を追い込むDV 
自分の意志で生き方を選び取る 

第5章 モラハラという虐待
まるで〝お給仕さん〟 
DVではなくモラハラ? 
有名芸能人の「モラハラ離婚」も 
嫁いびりもりっぱなモラハラ 
モラハラのサイトにアクセスが殺到 
消えない心の傷 

第6章 暴力の鎖を断ち切るために
加害者プログラムの草分け「エマージ」のカリキュラム 
「急場しのぎ」が事態を悪化させると知る 
「あぁ、オレはアイツを殴ったよ」 
終わりのない葛藤 
日本の「脱DVカウンセリング」の草分け 
男性運動から生まれた「メンズ・リソース・センター」 
怒りを抑えることを学んでも、暴力はやまない
「男性は変わることができる」。そう信じることから出発する
日本にも強力な男性リーダーが必要 
国の財政を直撃する家庭内の暴力 
「ウィメンズ・センター」の子ども向けプログラム 
小学生向けのドメスティック・バイオレンス教育 
あなたの手は誰かを傷つけるためのものじゃない 

第7章 DV根絶を目指す、アメリカのリーダーたち
大統領の涙の誓い 
「とにかくみんなを巻き込むのよ」 
シェルターで働く元被害者 
夫を殺すまで追いつめられて 
正当防衛とは認められずに 
アットホームなシェルター 
ドメスティック・バイオレンスと闘う女性写真家 
取材する側から支援する側へ 
はじめて目の当たりにした暴力 
人間としての誇りを取り戻したリサ 
社会の変化を見届けたい 
ピッツバーグが誇る最高の設備「ウィメンズ・センター」 
「夢のような」シェルター 
この世からシェルターが消える日まで 

終章 香澄のその後
「誘拐ではない」と突き放され 
壊れてしまった息子の心 
「法律や社会はわたしを守ってくれない」 
「幸せな結末」を探して 

Author description 著者情報

梶山寿子

ノンフィクション作家。放送作家。神戸大学卒業。テレビ局制作部勤務を経て、渡米。新聞記者として働きながらニューヨーク大学大学院で修士号(M.A)を取得。その後フリーに。DV防止法制定前からドメスティックバイオレンスの取材、及び啓発活動を続け、『女を殴る男たち』(文藝春秋)、『家族が壊れてゆく』(中央公論新社)、『子どもをいじめるな』(文春新書)他を発表。女性の生き方・働き方や社会起業家などのルポも幅広く手がけ、書評家としても活動。
『35歳までに知っておきたい最幸の働き方』(ディスカヴァー)、『トップ・プロデューサーの仕事術』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。
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