伝わるシンプル文章術

伝わるシンプル文章術

著 | 飯間浩明
1650円 (税込) ※1

ページ数:264ページ
発売日:2018/3/25
ISBN:978-4-7993-2242-0

Product description 商品説明

 「問題」「結論」「理由」の備わった論理的な文章のことを、私は「クイズ文」と呼んでいます。私が編み出した形式ではなく、論理的な文章では普遍的に使われる形式です。優れたクイズ文を読んだ読者は、納得し、書き手を支持し、場合によっては書き手の望む行動を取ってくれます。

 私が大学で担当している文章指導の授業では、クイズ文の型を習得することを最終目標にしています。私は受講者たちに対し、「クイズ文が書けるようになれば、大学の課程を終えたも同然です」と言うことがあります。決して言いすぎではありません。学問とは結局、今まで明らかでなかったことを、クイズ文の形式で明らかにすることだからです。
 ことさら学問的な文章でなくても、何かを筋道立てて述べようとすれば、クイズ文の形式が必要になります。慣れた書き手であれば、これを少し変形させても差し支えありませんが、まずは、型どおりのクイズ文を書く練習をしましょう。

 

Index 目次

はじめに
第1章 伝えたい考えは「クイズ文」で書く



LESSON1
言いたいことは伝わっているか

考えを伝え、理解してもらうためには?
よく見るエッセー、言いたいことは何?
汲み取ってくれるだろう、では伝わらない
伝える姿勢がとぼしい新聞のコラム


LESSON2
クイズ文とはどういうものか

伝えるための文章はクイズにそっくり
「問題・結論・理由」の役割
数学の証明問題はクイズ形式だ
理科でも習うクイズ形式
昔の日本人もクイズ形式を使っていた
練習1 「問題・結論・理由」を備えた自己紹介をしてみる





LESSON3
クイズ文の反対は「日記文」

ふつうに目にする文章は「日記文」
日記はどういう形式で書かれるか
報道記事も小説も日記文
「事実・感想」を定義すると
歌詞や和歌、俳句も日記文
事実と感想を分けると、発見がある
日記文とクイズ文、どちらが上でもない
練習2 新聞記事を日記文とクイズ文にしてみる
論理的に反論できるか、できないか




第2章 クイズ文の型を理解しよう


LESSON1
クイズ文の四つの型

疑問文の形式で分類すると
練習3 文章から型を読み取ってみよう
練習4 表面上はクイズ文に見えない文章を明確なクイズ文にする




LESSON2
ディベートはクイズ文を書くのに役立つ

ディベートの効用は絶大
ディベートを誤解していませんか?
ディベートの型はクイズ文の型
LESSON3
ディベートを疑似体験しよう

ディベートを朗読するだけでも、けっこう身につく
①立論
②反論


LESSON4
ディベートからクイズ文をつくってみる

クイズ文に移し替えるのはむずかしくない
ディベート形式は、考えを進展させる




第3章 実践! クイズ文を書いてみよう

LESSON1
「問題・結論・理由」を用意する

パソコンに向かう前に考える
「問題」をどうつくるか
こういう問題設定をしてはいけない
当座の「結論」「理由」を用意する

LESSON2
「問題」の述べ方、ここに注意

問題を文章の流れの中で提示する
問題が書かれていない―「問題」のよくない述べ方①
問題が複数ある―「問題」のよくない述べ方②
問題の範囲が不明確―「問題」のよくない述べ方③
問題を唐突に提示―「問題」のよくない述べ方④
問題提示までに回り道―「問題」のよくない述べ方⑤


LESSON3
「結論」の述べ方、ここに注意

結論は問題のすぐ後に示す
結論が書かれていない―「結論」のよくない述べ方①
結論が弱い―「結論」のよくない述べ方②
問題と結論がかみ合わない―「結論」のよくない述べ方③

LESSON4
「理由」の述べ方、ここに注意

すぐに反論されないような理由を用意
結論へ論理的につながらない―「理由」のよくない述べ方①
理由の範囲が不明確―「理由」のよくない述べ方②
理由が感想または推測?「理由」のよくない述べ方③
理由を整理せずに列挙?「理由」のよくない述べ方④
「理由を支える証拠」だけでも一章になる
反論を想定して書こう

LESSON5
文章完成に向けてすべきこと

足りないところは何だろう
資料的な裏づけを取ろう
反論に備えよう
これが完成作品だ
優秀作品の紹介

おわりに

Author description 著者情報

飯間浩明

1967 年、香川県高松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同大学院博士課程単位取得。国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。
著書に『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』(以上、ディスカヴァー)『辞書を編む』(光文社新書)、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP 新書)、『三省堂国語辞典のひみつ』(新潮文庫)、『国語辞典のゆくえ』(NHK シリーズ)。NHK Eテレ2011~13年度放送「どうも! にほんご講座です。」、2014~16年度放送「使える! 伝わる にほんご」の講師を担当。アニメ版『舟を編む』の監修も務める。
twitter @IIMA_Hiroaki
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