ビッククエスチョンズ 脳と心

ビッククエスチョンズ 脳と心

著 | リチャード・レスタック
編 | サイモン・ブラックバーン
訳 | 古谷美央
2100円 (税抜)

ページ数:336ページ
発売日:2018/3/25
ISBN:978-4-7993-2245-1

Product description 商品説明

 心は、いつの時代も興味を引く魅力的な存在であり、古代の哲学者に始まり多くの思想家が、それ――その正体やしくみ――について脳みそを絞り続けてきた。実は、この冒頭の文にすでに、古くからのビッグクエスチョンが隠されている。脳と心は同じものなのだろうか? そして、心や脳がそれらを通してしか考察することができないものだとしたときに、それでも私たちの試みは有効なのだろうか?
 このように、心を理解しようという試みには、「自己言及」のパラドックスがついてまわる。

 心のビッグクエスチョンに取り組もうとするとき、自己言及の感覚は遍在している。私たちは、「思考とはなにか?」と思考せずに問うことはできない。知識のほとんどを得るために使ってきた思考プロセスについて考えることなく、「知識とはなにか」と考えることも無理だ。しかし、このような問いをあつかう際は、それを哲学的な問いとみるか科学的な問いとみるか選ぶことができる。私自身は後者のアプローチをとる傾向が強い。21世紀においては、記憶や情動、言葉やアイデア、夢と想像、知覚と思考、そして自己感覚と外界の感覚が、脳の活動によるものではないと言い張る人はほとんどいないだろう。私たちがこれをもっとも明確に認識できるのはそれが失われているときで、脳の正常な働きが妨げられたときになにが起こるかをみればよい。

 この本の各章で提起した問いにアプローチする際、私は決定的な答えを出すことを目的とはしなかった。多くの場合、答えは一つだけではないからだ。私はときに、著者の特権として個人的に気に入っている答えを強調したが、それが万人の合意を得られるものだとは考えていない。
 私の目的は、私の出した答えを踏み台として、読者自身が20のビッグクエスチョンに対する自分なりの答えを探索し、考えるよう誘うことだ。もし私がこの試みに成功しているならば、読者はエビデンスを検証し、独自の結論を導き、そうしている間も他者が自分とは異なる結論にいたるかもしれないことを十分に認識している、よき陪審員となってくれていることだろう。

Index 目次

心は、体なしに存在できるだろうか?
脳はどのようにして生まれたのか?
脳を鍛えるにはどうすればよいか?
感覚とはなんだろうか?
意識があるとはどういうことか?
ヒトの脳はどこが特別なのか?
コミュニケーションに言葉は不可欠?
脳の中の「私」の正体とは?
自由意志は幻か?
思考とはなにか?
なにもしていないとき、脳はなにをしている?
二つのことを同時に考えられる?
知識とはなにか?
「いま・ここ」から抜け出すには?
共感や利他主義はどう生まれたか?
愛とはいったいなんなのだ?
怒ったとき、なにが起きているのか?
夢には意味があるのか?
心は私たちを欺くのだろうか?
機械は脳をだめにする?

Author description 著者情報

リチャード・レスタック

アメリカ精神神経学会会長を務めたこともある神経科医。複数のニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作品を含む約20の著作がある。現在は、ジョージワシントン病院大学の神経科医学教授。
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サイモン・ブラックバーン

ケンブリッジ大学の哲学教授ならびにノースカロライナ大学の哲学研究教授を務める。現代の最も著名な哲学者の1人であり、ビッグクエスチョンズシリーズの編者でもある。
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古谷美央

東京大学教養学部英語コース(PEAK)特任教授。東京大学理学部生物科学科(動物学)卒業、同大学院医学系研究科修了。医学博士。著書に『iPS細胞ってなんだろう』(アイカム)、翻訳書に『2階から卵を割らずに落とす方法』『サイエンスペディア1000』『ビッグクエスチョンズ 脳と心』(以上、ディスカヴァー)などがある。
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