「判断するのが怖い」あなたへ

「判断するのが怖い」あなたへ

著 | 佐藤恵美
1320円 (税込) ※1

ページ数:256ページ
発売日:2020/7/17
ISBN:978-4-7993-2624-4

Product description 商品説明

「決められない」「判断できない」は能力の問題ではありません。

次のような点に思い当たるあなたはぜひお読みください。
上司からの漠然とした指示に困ってしまう
複数の業務が渋滞してしまう
机の上やパソコンの中が片づかない
完璧主義と言われる
自分は人に流されやすいと思っている

ロングセラー『もし部下が発達障害だったら』の著者が、今度は当事者に向けて、仕事と人間関係がうまくいく方法を提案します。

Index 目次

第1章 発達障害とは何だろう?
この本で伝えたいこと
うつ病の背景に発達障害特性があることも
発達障害とは何だろう

第2章 「判断するのが怖い」という気持ちはどこから来るのか

「判断する」とはどういうことか
  情報の入力(インプット)
  情報の処理
  情報の出力(アウトプット)


「判断するのが怖い」場面に起こっていることは何か
  1 上司から漠然とした指示や曖昧な言い方をされる
  2 精度の手加減がよくわからない
  3 複数の仕事を進めるための判断が難しい
  4 経験がないことはハードルが高く感じる
  5 説明を求められるとあわててしまう
  6 考えがまとまらず言葉が出ない
  7 選択できない
  8 捨ててよいのかどうか判断できない
  9 状況変化に応じた柔軟な判断が苦手
  10 思考の起動に時間がかかって、即時判断ができない
  11 やるべき作業がなかなか腑に落ちず判断が遅くなる
  12 自分の理解した内容が他者と異なる
  13 電話で受け答えする際にうまく判断できない
  14 複数人数で話す場面で適切な発言ができない



第3章 どんな特性が影響しているのか
1 「だいたいこれくらい」をつかむのが苦手という特性
2 あれもこれもごちゃごちゃになりやすい特性
3 思考の道筋が固定的(こだわりが強い)という特性
4 作業しながら使う一時的な記憶(ワーキングメモリ)が苦手という特性



第4章 陥りがちな心理としてしまいがちな行動

陥りがちな心理
  不安と焦りと恐れ
  自分や周囲への怒り
  被害意識が強くなる
  業務がいっぱい! という気持ちでいつもあわててしまう


ついしてしまいがちな行動
  自分の考えや意見をすぐに撤回してしまう
  なるべく仕事を「増やさない」方向で考えてしまう
  人間関係を避ける
  とりあえずなんでも引き取ってしまう
  やるべきことを先送りにする
  なんでも言い控えるようになる
  攻撃的になる
  報告連絡相談がなかなかできない
  いろいろな人に意見や助言を求めてしまう
  

先々をとめどなくシミュレーションしてしまう
    

自分の心を助ける方法
      自分について適切に理解する
      自分の思い込みや行動パターンを知っておく
      怒りを感じたらその場を離れる
      呼吸を意識する
      好きな時間を持つ
      パワーナップをとる
      業務中も適度な休憩をとる
      懐疑的被害的な感情に気づく
      挨拶上手になる



第5章 判断への不安を軽くするために
レーティング表を作ってみる
日報を書く
片付けの時間を定期的に確保する
集中できる場所を確保する
話を聞きやすくする
上司に定期的な面談を依頼する
時間管理の工夫をする
業務の照準合わせをする
コミュニケーションの工夫
残業時間に注意する

第6章 自分について説明する
Aさんの事例
要点1 自分を適切に知ることの意義
要点2 説明のキーワードをつかまえる
要点3 主治医と自己理解を共有する
要点4 「できるようになるため」の説明というスタンスをとる
要点5 自分の利益が全体の利益になる

第7章 怒りをコントロールする
「怒り」の感情に気づく
心の根底にあるビリーフに気づく
怒りの温床となる不安を低減させる
怒りで失うものを知る
「折り合いをつける」という方法を知る
他者の視点があることを知る
頭の整理整頓をする

マインドフルネスを保つ
  呼吸の瞑想



第8章 カウンセリングを上手に利用する
自分の特性を適切に知るカウンセリング
自分の世界を理解してもらう
自分や他者の言いたいことを翻訳してもらう
生活上の工夫や職場環境の調整方法を話し合う
頭をトレースして整理する
安心感を得る

第9章 事例から見えること

事例 会議で発言を求められるのが怖いMさん
  Mさん自身の話
  上司のコメント:つかみどころがなくどう指導してよいかわからない


Mさんと上司はどのようにしていったらよいか

第10章 職場の「暗黙の了解」を言葉にすると
「適切な休みの取り方」とは?
「業務を同時並行する」とは?
「優先順位をつける」とは?
「いつでも連絡ください」とは?
「大丈夫ですよ」とは?
会議で「では、そのような方針にしましょう。さんお願いします」と言われたら?
上司から「ここをもうちょっと手直ししてください」と言われたら?
「効率よくやれ」とは?

他者に単刀直入に言わないほうがいいこと
  断る場合
  依頼する場合


言葉ではない表現について
  NOGOサイン
  場(そこにいる人たち)の空気

Author description 著者情報

佐藤恵美

沖縄メンタルサポート&コンサル沖縄 代表
精神保健福祉士・公認心理師・キャリアコンサルタント
1970年生まれ。東京都出身、沖縄在住。
北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学修了 医科学修士。
埼玉県内の精神科単科病院医療相談室、東京都内の医療法人社団弘富会神田東クリニック副院長/同法人MPSセンター副センタ―長を経て、2020年沖縄にて「沖縄メンタルヘルスサポート&コンサル」を設立。
職場のメンタルヘルスを専門とし、実効性のある労働者のカウンセリングや健康職場づくりを実践している。働く人のメンタルヘルスをテーマとした論文、講演、著書多数。主な著書に『「判断するのが怖い」あなたへ 発達障害かもしれない人が働きやすくなる方法』(ディスカヴァー携書)『ストレスマネジメント入門』(共著、日経文庫)がある。
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