超訳 鴎外の知恵

超訳 鴎外の知恵

著 | 出口汪
1870円 (税込) ※1

ページ数:280ページ
発売日:2013/2/28
ISBN:978-4-7993-1292-6

Product description 商品説明

本書は、明治の文豪・森?外の箴言集を、現代文のカリスマ講師と知られる出口汪が超訳したものである。

?外は軍人、文学者として最高の地位を得た。だが、?外は決して順風満帆な人生を送ったのではなかった。体制派であると同時に、反体制的な発言を繰り返した。恋愛と結婚、そして、離婚を経験した。個人と家、個人と国家との問題に苦しみ、嫁姑問題でも煩悶した。

?外は何度も何度も挫折し、苦汁をなめた。しかし、そのたびに強靱な意志力でそれを乗り越えていったのだ。

本書は?外が小倉左遷前後に連載した、「知恵袋」「心頭語」、そして、東京に転勤し、復権した翌年に連載した「慧語」、この三冊の箴言集の超訳である。「知恵袋」「心頭語」の原典は、1788年、フランス革命勃発の前年に刊行されたクニッゲの「交際法」である。この書物は日本ではあまり知られていないが、ドイツではどの家庭でも一冊は備えていると言われているものである。その内容は実践的であり、様々なタイプの人間との交際の仕方や処世術などが事細かに、しかも具体的に述べられている。?外は「交際法」を翻訳するに当たって、日本人に必要な箇所を選択し、時には自分の体験を交えたり、原典にはない内容を書き加えるなどして、思い切った修正・加筆・削除を行っている。まさに「超訳」のはしりである。「慧語」の原典は、スペインのイエズス会士バルタザール・グラシアンの著作集から、彼の友人ラスタノザが一六五五年、彼の死後、三百箇条の箴言を抽出し、編集したものを、さらにショーペンハウエルがドイツ語訳したものである。その中から、?外が五十四箇条を抽出し、これも超訳している。

以上のようにヨーロッパで古くから読まれ続け、しかも、?外が日本人に必要なものとして、抽出し翻訳した三冊の箴言集から、さらに現代の日本人に送りたいものを厳選し、超訳したのが本書なのだ。


<本書の一部>

5 まず自分を信じよ

自分が自分を信じること。
それがあって初めて、人が自分を信じてくれる。
いったん自信が崩れて、表情にそれが表れてしまったなら、人はたちまち寄りつかなくなる。
それはカインの額に刻印された、罪のしるしだ。


10 才能とは運を操る術である

幸運は気まぐれである。
いつあなたに訪れるのか、誰にも分からない。
才能とは、運を操る術のことである。
運が巡っていると思えば、思い切って前へ突き進む。
まだ巡っていないと思えば、ただちに立ち止まる。
そして、運が巡ってくるまで、じっと時を待つのだ。


32 希望する知らせは容易に信じるな。悲しい知らせは心に鞭打って信じよ

望ましいと思う出来事に遭遇したときは、それを安易に信じたがる自分に手綱をかけて引きしめなさい。
悲しむべき知らせに接したときは、自分の心に鞭を打って、それを信じるように自分を励ましなさい。

Author description 著者情報

出口汪

1955年東京生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程修了。広島女学院大学客員教授、論理文章能力検定顧問、「希望日本投票者の会」顧問、東進衛星予備校講師。出版社「水王舎」の代表取締役でもある。多数の受験参考書がベストセラーとなり、入試現代文の講師として圧倒的な支持を得ている。
「すべての土台は言語である」と考え、「論理力」育成の画期的なプログラム『論理エンジン』を開発。250校を超える学校が正式採用している。現在も、『論理エンジン』の普及と日本の教育の改革を目指し、全国で講演をしている。まさに、論理で世直しに挑む「現代文のカリスマ」。
主な著書に、『超訳 鷗外の知恵』(小社刊)、『システム中学国語』『システム現代文』『出口の好きになる現代文』「頭がよくなる漢字」シリーズ(水王舎)、『出口汪の日本語論理トレーニング』(小学館)、『源氏物語が面白いほどわかる本』(中経出版)、『出口汪の論理的に考える技術』『出口汪の論理的に話す技術』『出口汪の論理的に書く技術』『出口汪の「すごい!」記憶術』『出口汪の「好かれる!」敬語術』『出口汪の「頭のいい子」を育てる技術』(ソフトバンク文庫)、『奇跡の記憶術』『使える論理力』『「考える力」を身につける本』(フォレスト出版)、『人生を変える最強の話し方塾』(草思社)、『日本語の練習問題』(サンマーク出版)、『東大現代文で思考力を鍛える』(大和書房)、『マンガでやさしくわかる論理思考』(日本能率協会マネジメントセンター)、小説『水月』(講談社)など多数。その累計部数は700万部を超える。
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