超訳 努力論

超訳 努力論

著 | 幸田露伴
編訳 | 三輪裕範
1870円 (税込) ※1

ページ数:280ページ
発売日:2013/11/29
ISBN:978-4-7993-1421-0

Product description 商品説明

『五重塔』「風流仏』といった小説で有名な、明治・大正・昭和を生きた大文豪・幸田露伴だが、
明治末に書いた人生論である『努力論』は当時から現在まで、多くの人に愛読されてきた。
本書は、自らも数え切れないほど読み返し励まされてきたという編訳者が、
『努力論』の最も重要な箇所を選び出し、現代では馴染みが薄くなった言葉や表現を思い切って超訳、
読みやすくわかりやすい形でお届けする。

Index 目次

第一部 努力論

Ⅰ 努力で運命を切り開く
001 人間は努力するように生まれてきた
002 二種類の努力を忘れるな
003 努力の方向を間違えてはいけない
004 「努力している」と思っているうちはまだダメだ
005 運命に泣き言を言うな
006 運命は生年月日や星座とは関係ない
007 運命は自分で支配せよ
008 運命ではなく、自分の力を信じよ
009 成功者は運命を忘れ、失敗者は自分の力を忘れる
010 他人に責任転嫁をするな
011 反省が成功の最大の秘訣
012 他人を恨めば不運を招く
013 どこから手を着けるかが重要だ
014 昨日と同じ自分でいるな
015 自分の能力を引き出してくれる人に従え
016 従うと決めた人の一部分であるかのように
017 現状に満足してはいけない
018 古いものは敵だ
019 去年の自分は今の自分の敵だ
020 昨日の自分を弁護するな

Ⅱ 幸福を引き寄せる
021 幸福を得たかったら「惜福」の工夫をせよ
022 幸運に出会っても、調子に乗って使い果たすな
023 惜福は「ケチ」ではない
024 惜福の人ほど福に出会う
025 徳川家康は惜福の天才だった
026 鳥は鳥を愛する家の庭に集まる
027 福を惜しむ人は、人に愛され信頼される
028 「分福」は積極的な行為だ
029 人に分け与えることは自分を幸福にする
030 福を独占するのは卑劣な行為だ
031 人間だけが人に譲ることができる
032 福を分かち合うのは高貴な行為だ
033 河に酒を注いで、兵と分かち合った武将
034 人は慈悲深い人を頼る
035 福を分つ心は春風のようにやわらかく温かい
036 福を分かち合わない人は人の上に立てない
037 利益を独占すれば利益を失う
038 大成するには他人の力も必要
039 「植福」こそ最高の福である
040 植福は自分と社会に二重の喜びをもたらす
041 小さなことの積み重ねが大きな未来につながる
042 福を得たいなら福を植えよ
043 文明は先人の植福のおかげだ
044 徳を積み知識を増やせ
045 福を植える人は敬愛される

Ⅲ 目標に向かって進む
046 すべての文明は人間の努力の結果だ
047 努力とは情熱を燃やし続けること
048 努力なしには何事も成し遂げられない
049 好きなことをするのにも努力が必要だ
050 人生は甘くない
051 人生の唯一の味方は努力だ
052 努力の積み重ねが天才を生む
053 人生で最も尊いのは努力だ
054 人生の意義は努力することにある
055 明確な目標をもって学べ
056 学問の目標は「正・大・精・深」
057 「正」……奇書や奇説に惑わされるな
058 「正」……学問の正道を歩め
059 「大」……自分の限界に挑戦せよ
060 「大」……自分の無限の可能性を信じよ
061 「大」……人は学べば大となる
062 「精」……精密さを心がけよ
063 「深」……守備範囲を広げすぎるな
064 「深」……自分の専門分野を深く究めよ
065 「深」……小さくても深い井戸を掘れ
066 高い志をもて
067 自分の性格に合った志をもて
068 的を絞れば成功する
069 自分の最高を目指せば世の中に貢献できる

Ⅳ 無理のない生き方をする
070 「やわらかみ」と「あたたかみ」をもて
071 助長の心で人に接しよう
072 心ない一言が善良な行為をさまたげる
073 空間と時間が人間を支配する
074 四季は人間に大きな影響を与えている
075 四季が与える以上のものを奪ってはならない
076 自然に順応して生きよ
077 病気を自分で招き寄せていないか?
078 病気を招き寄せることは一種の罪だ
079 病人には心からの思いやりを示せ
080 病気は予想すべきもの
081 仲のよい夫婦は健康だ
082 健康になるために積極的な努力をせよ
083 本来の身体機能を使えば健康になれる

Ⅴ 自分の「気」をコントロールする
084 「静かな光」と「動く光」
085 「気が散る」状態では何でもうまくいかない
086 「気が凝る」ことも要注意
087 心は気を率い、気は血を率い、血は体を率いる
088 歩くときは気合いを入れろ
089 すべては心が気を率いることに始まる
090 人間は小さな造物主になれる
091 するべきことをし、思うべきことを思う
092 今していることに集中せよ
093 何事にも全身全霊であたれ
094 つまらないことをきちんと行う
095 日常のすべてが修行の場
096 物事にはただちに取りかかれ
097 気が二つになると健康を失ってしまう
098 自分の好き嫌いに素直に従え
099 好きなことをしていれば、自分の持ち味を発揮できる
100 すべてのものは時間の支配を受けている
101 世の中の基本は「無定有変」
102 「努力」よりも「記の張り」はさらにいい
103 気の張りは最高の力を引き出す
104 「逸る気」は長続きしない
105 「昂る気」をコントロールせよ
106 「凝る気」は大局を見失わせる
107 「凝る気」で失敗した武田勝頼と「張る気」で成功した豊臣秀吉
108 悪気は悪気を誘発する
109 一つの状態にとどまるな

第二部 修省論

Ⅵ 高級な感情を育てる
110 恐れ、慎め
111 現在の自分に満足しない
112 恐れ慎みが天の助けを呼ぶ
113 自分を大きいと思う者は最も小さい者だ
114 天の助けを信じよ
115 感情にもレベルがある
116 高級な感情を育てよう
117 高級な感情とはどういうものか
118 感情は私有物ではない
119 感情にも教養と訓練が必要だ
120 劣悪な感情は捨てよ
121 低級な感情は低級な知識よりも危険だ
122 低級な感情が社会を混乱させる
123 同種のものは同種の感情をもつ
124 同じ職業の中には同級感情がある
125 同級感情は足の引っ張り合いを生む
126 仲間はずれになることを恐れるな
127 向上心をもって同級感情を打ち破れ
128 悲観は高貴な感情だ
129 悲観は自己中心思想を抑える
130 自己の利益を超越して悲観をもて
131 悲観によって社会は進歩する
132 悲観と怯観を混同するな
133 犠牲的行為の価値は動機にある
134 犠牲になることができるのが最も自由な人だ
135 犠牲となることに報酬を期待してはいけない
136 すね毛一本さえ出し惜しみするのが世間の常
137 犠牲的精神が進歩発展をもたらす
138 犠牲者は社会の心臓だ
139 犠牲者は縁の下の力持ちだ
140 犠牲者の数が国家の盛衰を決める
141 自分の心の奥底の声に動くのが真の犠牲者だ
142 身代わりと犠牲を混同するな
143 三毒に染まるな
144 現代の三毒は「老毒」「壮毒」「自覚毒」だ
145 とかく古いことを好むのが「老毒」
146 老毒が回ると先の心配ばかりするようになる
147 自分は老毒に侵されていないか?
148 若者がバカなことをするのは「壮毒」のせい
149 「わかったつもり」が「自覚毒」

Ⅶ シンプルな生活を送る
150 世の中の雑事に惑わされるな
151 世俗的満足を超えた理想をもて
152 シンプルに生きよう
153 シンプルにすべきなのは外面だけではない
154 シンプルであれば心は乱れない
155 生活の豊かさはシンプルの中にある
156 貧乏があなたを苦しめるのではなく、あなたが貧乏に苦しむのだ
157 貧乏とはうまくつき合え
158 貧乏は人間を鍛える
159 貧乏は真の友人を残す
160 貧乏は真実を悟らせる
161 貧乏は人間を成長させる
162 貧乏を恨むな
163 空っぽな人生を送るな
164 空っぽな人は信頼できない
165 教育は空っぽな人間を生産している
166 空っぽな人間が社会をだめにする
167 毎日の生活を充実させよう
168 新しいことがいいとはかぎらない
169 古ければいいということでもない
170 価値のある古さこそが重要だ
171 新しさや古さは善悪とは関係ない
172 「昨日の新」は「今日の古」
173 新しいか古いかではなく善悪を人生の指針とせよ
174 順当に行くことのよさ、逆さまのよさ
175 逆さまが大きな成果を生む
176 上の者は下の者より苦労せよ
177 「権利と義務」という考えから抜け出せ

Ⅷ 自分と人の能力を伸ばす
178 物事の成果はそれにかけた時間によって決まる
179 時間を尊重せよ
180 時間短縮が進歩をもたらす
181 過程の短縮を目指せ
182 過程短縮を考えないのがお役所仕事
183 過程短縮の念のない者は落伍者となる
184 「可能率」の高いものは予備力が大きい
185 人間の差は非常時にこそ表れる
186 自分の可能率を拡大させよ
187 国民の可能率向上は国家を発展させる
188 能力は鍛えなければ低下する
189 安易なやり方をしていると精神力が衰える
190 自己啓発の方法に注意せよ
191 自己啓発は功利中心になってはいけない
192 人生に苦労はつきもの
193 世の中に生やさしいことは一つもない
194 全能の人など存在しない
195 人は何か欠けているのが当たり前
196 人に要求しすぎるのは百害あって一利なしだ
197 相手への愛情をもって要求する
198 何事も根を育てるのが最も大切だ
199 人間の根を育てるのは植物以上に難しい
200 見当違いの努力は失敗に終わる

Ⅸ 事業を発展させる
201 事業の種類に優劣はない
202 事業家の優劣は時間と利益で決まる
203 一時的な利益めあての事業家は最低
204 事業で大切なのは継続性と信用だ
205 堅実に事業を行う事業家はまだ中級だ
206 国益を考えるのが上級事業家
207 世界の利益を考えるのが最上級事業家
208 金と花火は放つときだけ輝く
209 事業の盛衰は細菌の盛衰に似ている
210 取り巻き連中に気をつけろ
211 取り巻きは社会との関係を遮断する
212 事業は急に成長するときが一番危ない

Ⅹ 人間関係を築く
213 自助と互助のバランスが必要だ
214 自助だけが目標では互助の精神は生まれない
215 日本文化は互助の精神を軽視してきた
216 互助の欠如は排他につながる
217 すべての堕落の根源は自棄にある
218 自棄は排他を招き、排他は争いを招く
219 衝突と闘争は人間の愚かさが原因
220 無駄な摩擦で力を消耗させるな
221 二者の差が食い違いと衝突を生む
222 好みが違う人間は理解しにくい
223 無意識のすれ違いが最も危険
224 偶然から人間関係が悪くなることもある
225 「余気」に注意せよ
226 余気は避けられない
227 原点に戻ってお互いを理解しよう
228 人を信じよ
229 人を信じない人は人から信じられない
230 人を信じないと快活さが失われる
231 人を信じることは一種の苦行だ
232 人を信じて災難にあってもいい
233 人を信じることが飛躍に通じる

Author description 著者情報

幸田露伴

1867年、東京(当時は江戸)生まれ。『風流仏』『五重塔』『運命』などの文語体による小説が有名。日本と中国の古典文学や歴史、宗教にも通じ、多くの随筆のほか「芭蕉七部集評釈」などの研究書、また都市論「一国の首都』を発表。「百年に一人の頭脳」と称えられるほどの博識で知られた。1937年に第1回文化勲章受章。
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三輪裕範

1957年兵庫県生まれ。神戸大学法学部を卒業後、伊藤忠商事に入社。1991年にハーバード・ビジネス・スクールにて経営学修士号(MBA)を取得後、ニューヨーク店経営企画課長、大蔵省財政金融研究所主任研究官、経団連21世紀政策研究所主任研究員、伊藤忠商事会長秘書、調査情報部長、伊藤忠経済研究所長等を歴任。その後、伊藤忠インターナショナルSVP兼ワシントン事務所長を務める。著書は『時間がない人が学び続けるための知的インプット術』『幸福のための努力論』『ハマトンの知的生活のすすめ』『今度こそすらすら読めるようになる「ニュース英語」の読み方』(以上、ディスカヴァー)、『ビジネスマンの英語勉強法』『50歳からの知的生活術』(以上、ちくま新書)など多数。
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