ウーバー革命の真実

ウーバー革命の真実

著 | 立入勝義
1760円 (税込) ※1

ページ数:256ページ
発売日:2018/12/31
ISBN:978-4-7993-2398-4

Product description 商品説明

テクノロジー系のスタートアップがひしめくシリコンバレーから「ディスラプト(破壊)」の代名詞となるほどの衝撃を市場にもたらした、画期的で驚異的なビジネス、ウーバー。

これまでのシリコンバレー初のインターネットビジネスは、あくまでもネットにとどまり、広告収益モデルをベースに展開。
既存のビジネスとの競争を避ける気運があった。
しかし、ウーバーは違う。
実際に既存産業に殴りこんでいって、それを倒し、市場から広告とはまったく違うお金を獲得するに至った。

アメリカのタクシー産業に大打撃を与えたウーバーは、日本ではどう作用するのか―
数年後には、東京オリンピックや大阪万博をひかえる日本。訪日外国人の増加や、「白タク」の影響は?
高齢化に伴う、福祉への可能性は?
そして何より、タクシー業界への影響は?


本書は、ウーバーの急成長の要因と課題を分析した「ウーバー解体新書」である。
日本ではまだ一部の人にしか知られていないサービスの全貌と、その変革者としての位置づけも述べる。
そこには、利用者としてだけでなく、著者自身がドライバーを行ってみての体験が活かされていることも追記しておきたい。

さらには、日本国内で「ブラインドスポット」となっている部分がないかの検証も行う。
ウーバーが米国で成長した背景、今後の成長課題、そして日本で同様の革命が起こる可能性があるのか、それらを各章で解説していく。

Index 目次

はじめに

第一章 ウーバーの衝撃《米国タクシー産業に壊滅的打撃を与えたライドシェアリング》
 日本とはまったく異なる米国タクシーサービスの「品質」
 雇用市場としてのタクシー
 ライドシェアリングとは何か? ウーバーとは、どういったサービスなのか?
 ウーバーの「きめ細やかなサービス」
 ウーバーの特長は「利便性」と「コスト」にあり
 ライドシェアリング・サービスの市場拡大
 シリコンバレー随一! 破天荒な創業秘話
 ウーバー、どこがすごい? ビジネス・エコシステムの脅威性
 激化する競争と運転手の囲い込み
 【コラム】ブロックチェーンとウーバーに共通する哲学

第二章 ウーバー〝解体新書〟《ウーバーの成功を支えた四つの背景》
 シェアリング・エコノミーという経済活動
 GPSとスマートフォンの誕生と進化
  ①スマートフォンの爆発的普及
  ②地理情報システムを活用した、地図アプリの精度向上
  ③スマホによる地図情報のリアルタイム検索
 AIとビッグデータの活用により、全てを管理する「神アルゴリズム」
  ①進化する相互評価システムと報告機能
  ② 需要と供給をバランスし、ドライバーにインセンティブを与える「ダイナミック・プライシング」
  ③UI&UXが考え尽くされたアプリデザイン
 米国のキャッシュレス文化
  ①カード決済からモバイル決済へ
  ②P2P決済サービス ベンモ(Venmo)

第三章 投資家から見たウーバー《投資の専門家でさえ「目利き」できなかった大型案件》
 有名ベンチャーキャピタルたちにも見抜けなかったウーバーの将来性
 シリコンバレーで活躍する投資のプロが語るウーバーのすごさ
 いまだ払拭しきれない集団訴訟のリスク
 イノベーターのジレンマをいかに乗り越えるか?
 自動運転普及へのカウントダウンと上場への期待
 フェイスブックまでは旧世代

第四章 ウーバー体験記《ウーバー運転手をしてみた》
 なぜ私がウーバーを運転するようになったのか
 運転手側から見たエコシステム
  ①勤務体系
  ②報酬体系
  ③評価システム
 ウーバーの本質は、運転手と乗客のマッチメイキング・サービス
 ウーバーでどれくらい稼げる?
 実録「ウーバーはミタ」
  ①ウーバーが誘う夜の世界
  ②朝のラッシュアワー時はいつもサージ・プライシング
  ③介護プログラムの一環でウーバーを提供
  ④お客はドラッグディーラー?
  ⑤危機一髪、車内で嘔吐寸前!
  ⑥深夜の薬物中毒者
  ⑦38ドルの走行でチップ40ドル!
  ⑧ホームレスの町、スキッド・ロウでのピックアップ
 
第五章 ウーバーの軌跡《世界展開の光と影》
 規制を打ち破ってきたウーバー
  「ドル箱」ロサンゼルス国際空港のタクシー&ライドシェアリング乗り場で、何が起こっているか?
  観光客用「乗り捨てられる車」が必須のラスベガス事情
 ウーバーを規制する国々
  中国に挑んだウーバー「試合に負けて、勝負に勝った」
  アジア諸国でも展開は難航
  ウーバーへの風当たりの強いEU諸国
  メキシコ高級リゾート地カンクーンでも難航
 世界で起こるウーバーに対する訴訟騒動
  アメリカで頻発するウーバー運転手による性犯罪
  インドのウーバーの営業停止処分を招いた凶悪レイプ事件
  ウーバー運転手による暴行事件の一方で、ウーバー運転手が襲われる事件も起きている南アフリカ
 ウーバー、経営と技術の課題と変革、その未来
  「一八〇日の変革」キャンペーン
  次なる課題―「ラストマイル」問題
  アリゾナ州での死亡事故による自動運転への陰り、トヨタ自動車との業務提携による一筋の光
  電気自転車と電動スクーター事業への出資
 ウーバーに「死角」はあるのか?
 【コラム】UberAirは実現するのか

第六章 ウーバー日本上陸《日本に「Xデー」はやってくるのか?》
 タクシー業界は働き方改革を推進 一方、タクシー運転手の経済の相対的立場は低下
 国内タクシーのサービスは優秀 ウーバーが狙うは個人タクシー?
  タクシー利用者にとっての利用環境
  日米タクシー料金比較
  もうひとつの選択肢「個人タクシー」
 車社会米国とペーパードライバーの多い日本
  日米、車と運転免許の保有率比較
  生涯運転時間の圧倒的な差が示すウーバーの潜在的運転手層の厚さの違い
  日本で最も多い軽自動車は、ライドシェアリングに向くのか?
 国産アプリ、AI市場に可能性あり。ウーバーの「ミケランジェロ」とどう向き合うか
  国産「配車アプリ」の趨勢
  国内AI市場の広がりと可能性
  機械学習プラットフォーム 「ミケランジェロ」
 福祉サービス進出に向けた、既存勢力との攻防
  福祉としての活用
  タクシー業界の福祉サービスへの参入の動き
 東京オリンピックを機に、ウーバーのシェア拡大の可能性
  増加する一方の中国版「白タク」違法行為
  ウーバーの副次的なサービスで「かゆいところに手が届く」
 日本に「Xデー」は来るのか?

あとがき

Author description 著者情報

立入勝義

1974年、大阪府生まれ。米国在住歴20年。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理環境学部卒。日米間の事業開発とデジタル・マーケティングをおもに手がけるフリーランスのコンサルタント、作家。おもな経歴に世界銀行や米ウォルト・ディズニー、アライドテレシス。元さくらインターネット米国法人代表。元AAJA(Asian American Journalists Association)理事。主要著書は『ソーシャルメディア革命』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『電子出版の未来図』(PHP新書)など。四女の父。
詳しくはこちら

※1 店舗ごとの消費税の端数の計算方法の違いによっては、お会計額に誤差が生じる場合があります。