コロナの衝撃

コロナの衝撃

著 | 小原雅博
1100円 (税込) ※1

ページ数:240ページ
発売日:2020/5/28
ISBN:978-4-7993-2613-8

Product description 商品説明

緊急出版! 100年に一度といわれる危機の中、世界はどうなっていくのか。
重視すべきは、安全か自由か、健康か経済か。

2019年12月、中国武漢市で起こった謎の新型肺炎は、瞬く間に世界中を恐怖に陥れた。
新型コロナウイルスによって起こった複合危機によって、世界はどう変わっていっているのか。
そして、今後の世界はどうなるのか。私たちは何をすればよいのか。
国際政治学者が読み解くパンデミックの世界。

Index 目次

はじめに
序章感染症との闘い新型コロナウイルスがもたらす複合危機
感染症との闘い
カミュの予言
スペインインフルエンザ(Spanish Flu)の猛威
「三つの山」
感染症のジレンマと不確実性
複合危機が世界を襲う
健康危機から経済危機へ
経済と感染症のジレンマ
IMF報告書の提言と四つのシナリオ
複合危機後の世界は?
第1章武漢戦疫
2020年春節の異変
武漢で何が起きたか?
初動対応の遅れ
地方政府の失態と大衆の批判
李文亮医師の叫びと当局の隠蔽
作家方方の直言
空前の検疫封鎖と経済正常化のジレンマ
経済停止の影響と早期終息への期待
中小民間企業の悲鳴
経済正常化に立ちはだかる二つのジレンマ
恐怖心と社会の分断
中央と地方の関係
政権の安全か?国民の安全か?
「清華大学の檄文」なるもの
政権の反転攻勢
第2章政治への審判
なぜSARS(重症急性呼吸器症候群)の教訓は活かされなかったのか?
政治が試される感染症との闘い
中国権威主義体制の強みと弱み
権力と大衆の力関係
中国共産党ガバナンスのアキレス腱
「白衣の戦士」と普遍的価値
欧米民主主義の失態
中国の「マスク外交」の成否
米中の相互不信と非難合戦
中国寄りのWHOと排除された台湾の成功
似た者同士の異なる選択ーイランと北朝鮮の危機
左傾化ナショナリズムと中国の自信
コロナ後の米中新冷戦
第3章世界の不況と分断
「中国終息、世界爆発」
恐怖が支配する市場
石油価格の暴落
世界大不況と政府の出番
米国資産バブル崩壊という悪夢
二つの危機と「厄介な問題」
第一の報告書:感染対策の有効性
第二の報告書:感染対策と経済のトレードオフ
経済再開への動き
「失敗国家」アメリカ
経済と安全保障が絡みあう米中経済関係
米中の狭間で日本企業はどう対処すべきか?
終章私たちは何をすべきか?
コロナ後の世界
1. 生活様式の変化ー「オンライン化」や「健康と衛生」
2. 価値観の変化ー「安全」と「自由」
3. 世界の構図の変化ー米中の攻防
国家のガバナンスをめぐる競争の行方
債務危機から金融危機へ
新たな感染症危機への備えと国家の責任
途上国支援と国際社会の結束
国際機関のガバナンス
問われる私たち一人一人の行動
おわりに
参考
感染症【一口メモ】感染症とは?/新型コロナウイルス/ペスト/マラリア/エイズ(後天性免疫不全症候群HIV/AIDS)/結核/ハンセン病/はしか/梅毒/日本脳炎/発疹チフス/腸チフス/ジカ熱/エボラ出血熱/天然痘/コレラ/赤痢(細菌性赤痢)
感染症の歴史小話戦争以上に人口を減少させた感染症/ペストの恐怖/感染症のグローバル化/文明を滅ぼしたウイルス/医療衛生の進歩と病原菌の進化/戦争と感染症敵はいずこに?/ペロポネソス戦争の勝敗を左右した感染症/大谷吉継の加勢/ナポレオン軍の強さの秘密/クリミアの「白衣の天使」/日露戦争での日本の衛生管理を取り入れた欧米列強/西部戦線異状なし/第二次世界大戦と感染症

Author description 著者情報

小原雅博

東京大学大学院法学政治学研究科教授
1955年、徳島県生まれ。博士(国際関係学)。東京大学卒、UCバークレーにて修士号取得。1980年に外務省に入り、アジア大洋州局審議官、在シドニー総領事、在上海総領事などを歴任した後、2015年より現職。復旦大学(上海)客員教授も務める。
著書に、『日本の国益』(講談社現代新書)、『東アジア共同体』『国益と外交』(ともに日本経済新聞出版社)、『境界国家論』(時事通信社)、『チャイナ・ジレンマ』、『外交官の父が伝える素顔のアメリカ人の生活と英語』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)『日本走向何方』(中信出版社)など。
東大では、現代日本外交を担当。外交官としての実務経験と大学での理論研究に基づく国際政治学を探求。Critical thinkingによる授業を重視。
「白熱ゼミ」をオトバンクで放送中。また、10MTVオピニオンにて「大人のための教養講座」配信中。
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